斜位と斜視の違いは?症状の特徴や原因は?治療法や、トレーニング方法も!
斜位とはどんな病気でしょうか。斜視とはどう違うのでしょうか。斜位の種類と症状、隠れ斜視、原因、治療法、自宅でのトレーニング方法などについて説明します。あまり知られていない病気ですが、放置すると悪化することがあります。参考にしてください。
斜位とは?隠れ斜視?
みなさんは、斜位・隠れ斜視と呼ばれる眼の症状を聞いたことがありますか。人は、一つのものや、一つの場所を見つめるときに、両目で同じところに視線を合わせます。両目で物を捉えることにより、距離感や立体感がより把握しやすくなるのです。
しかし、物を見るために視線を合わせるということは、眼の筋肉をその間、使い続けるということでもあるのです。そのため、片側の目を覆い隠し、周りが見えないようにすると、隠したほうの目は、もっとも楽な位置に勝手に移動しており、隠していない方の目とは異なる方向を向かいます。
片目を隠すことにより、左右の目が異なる視点になっていることを斜位と呼びます(※1)。症状自体は、斜視とあまり変わりませんが、斜視と異なり、目を覆い隠していない状態では症状がわからないため、隠し斜視とも呼ばれています。
(赤ちゃんの視力については以下の記事も参考にしてみてください)
斜位の種類と症状の特徴
斜位・隠れ斜視は複数の種類に分けられ、それぞれに症状と特徴があります。種類によって、不便さや不快さを感じやすい状態も異なるので、症状を知っておくことで、どのタイプに当てはまるのか考えることができます。
(斜視の種類については以下の記事も参考にしてみてください)
内斜位
内斜位とは、視点がずれているほうの目が、内側に向いていることを指します(※2)。遠くを見る機会が多い場合は眼の疲労につながりやすく、眼からの距離が近い場所での作業が多い場合は不快感を感じやすくなります。
基本的な内斜位の特徴は、車の運転が難しいと感じやすくなることです。
外斜位
外斜位は、目を覆った際に覆った側の目が体の外側にずれることを指します(※2)。パソコン仕事や、読書など近いものを長時間、見ているときに疲れを感じやすいのが特徴です。また、目の疲労がたまっているさいに、遠くのものがふたつにずれて見えることがあるなどの症状がみられます。
必ずしも内斜位か外斜位のどちらかの症状がでるわけではなく、遠くを見ている時には外斜位で、近くを見ている時は内斜位の症状が出るという人もいます。
一般的には、内斜位よりも外斜位のほうが、目の負担が少ないため症状が穏やかです。
上下斜位
上下斜位とは、覆い隠したほうの目が上や下にずれていることを指します。人は、目を左右に動かすことに比べると上下への動きに慣れていないため、上下斜位のほうが、概ね内斜位や外斜位に比べると目に対する負担が大きいようです。
症状としては、眼精疲労や距離感が掴(つか)みにくいなどがあります。内斜位・外斜位・上下斜位の種類に関わらず、症状が重い場合は、眼精疲労による肩こりや頭痛などがあります。
斜位と斜視の違いは?
斜位と斜視という二つの症状は響きもよく似ており、混同して覚えている人も多いのではないでしょうか。斜位と斜視の症状はとてもよく似ています。斜位の症状は先ほど述べた通りです。斜視は、目を覆っていない状態でも、見ようとしている物体から常に片側の視線がずれていることをいいます(※3)。このため、斜位のことを隠れ斜視と呼ぶこともあります。
ただ、斜視は斜位と異なり、日ごろから目のズレを視認できるので、症状を自覚している人がほとんどでしょう。また、斜位と異なり、日ごろから視線がずれているということは、両目が通常通りの見え方をしてしまうと、物が二重に見えてしまうことがあります。
このため斜視の人は、ずれている目がうつしている情報を脳が抑制します。斜視の状態が長期間続くと斜視の方の目の機能が弱くなってしまうことがあります。
斜位の原因
斜視の原因は、両目の筋肉のバランスの悪さや神経異常によって引き起こされるものです。また、病気やケガなどの後天的要因で斜視になることもあります。(※4)
原因としても、左右の筋肉のバランスがとれていないことで起きると考えられます(※3)。しかし、斜位は隠れ斜視と呼ばれているように、日常的には気づきません。つまり、日常的に両目で物を見ているときには、両目の筋肉のバランスがとれているのです。そして、斜位は生理的な体の現象であるため軽い程度のものであれば、誰にでも起きます。
それでも、斜位が日常生活に支障をきたすことがあります。斜位の程度が大きいために筋肉で制御できていないことが考えられます(※3)。
(子供のチック症については以下の記事も参考にしてみてください)
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