子供の気管支炎の症状は?痰・咳がひどい風邪?病院へ受診する目安は?
子供の気管支炎の症状とは?どんな病気?という疑問をはじめ、子供の気管支炎の種類や、感染する原因について紹介します。気管支炎になりやすい年齢・時期や、重症化する危険性、予防法とあわせて、病院を受診する目安、自宅でのケア方法も説明します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
子供の気管支炎の症状とは?どんな病気?
風邪と思って受診をしたら気管支炎と診断されるケースも少なくありません。気管支炎は風邪の一種なのですが、重症化すると肺炎などを引き起こす可能性がある怖い病気です(※1)。今回はそんな気管支炎について紹介していきます。治療には入院を要するケースもあるため、完治するまではしっかりと経過を見ましょう。気管支炎の症状は以下のような特徴があります。
●痰が絡む咳がある
●発熱(38℃~)
●鼻水(粘り気が強い)
●咽頭炎
気管支炎は痰が絡む咳の症状が強くでますので、いつもよりも咳が出ると感じたら受診してみてくださいね。痰の絡む咳は体力を消耗します。特に抵抗力のない子供の場合、重症化するリスクがあるでしょう。気管支炎はいくつか種類があり、油断禁物なものもあります。次の項目から子供が罹りやすい気管支炎の種類について紹介します。
(インフルエンザと風邪の違いについては以下の記事も参考にしてみてください)
子供の気管支炎の種類と感染する原因
気管支炎は、病原体の種類や感染場所に応じてさまざまな種類に分けられます。どの気管支炎なのかによって症状や治療法も変わってくるでしょう。気管支炎の種類によっては、鼻水の検査で感染したウイルスを調べることができます。気になる場合は検査をしてもらいましょう。
この項目では、気管支炎の種類について紹介します。感染する原因についても紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
急性気管支炎
子供が罹るほとんどの気管支炎が「急性気管支炎」です。原因となるウイルスは、風邪やインフルエンザ、アデノウイルスなどがほとんどでしょう。稀に抵抗力が落ちていると、細菌感染から急性気管支炎を引き起こすこともあります。発熱や痰の絡む咳が続き、3週間くらいかけて少しずつ症状が変化して完治します。
症状は38℃を超える発熱やゴホゴホと痰の絡んだ湿った咳が特徴で、粘り気のある黄色い痰が出ることが多いです。幼い子供は痰を上手く出すことが難しく、症状が長引きやすいでしょう。激しく咳き込んだ拍子に吐いてしまうこともあり、咳が落ち着くまでは看病が大変ですね。咳の症状が重いと夜も眠れないこともあります。(※2)
慢性気管支炎
子供の慢性気管支炎はあまり聞き慣れないでしょう。慢性気管支炎は、その名の通り長年に渡り微粒子状の物質を吸い込み続けることで引き起こされる病気です(※3)。喫煙のほか、塗装業・農業・建築業・鉱山業など粉塵が飛び交う現場での仕事に従事していると罹りやすい病気です。子供の場合は、生まれつき脳に障害があったり免疫不全があると引き起こしやすいでしょう。
咳が3週間以上と長期間続くと「慢性気管支炎かも?」と心配になるかもしれません。生まれつきの疾患がない子供の場合は、喘息や慢性副鼻腔炎など別の病気の可能性があるでしょう。
ウイルス性気管支炎
急な発熱と並行して、鼻水や痰の絡む咳の症状がある際はウイルス性気管支炎の可能性があります。これはいわるゆる「風邪」であり、ウイルス性の場合は特効薬がないため対処療法です。病院でもウイルス性気管支炎の疑いがあれば、風邪と診断をすることがほとんどでしょう。しかし、ウイルス性気管支炎で注意したいウイルスがあります。
RSやインフルエンザ、エンテロウイルスは症状が重く出ることがあるでしょう。RSウイルスは幼い子供の場合、鼻水と痰が絡む咳が多くなりやすいです。3ヶ月までの赤ちゃんが鼻づまりを起こすと窒息の危険があるため、うつらないように気を付けましょう。(※4)インフルエンザウイルスは重症化することで脳症を引き起こすリスクがあります。
ヘルパンギーナや手足口病の原因でもあるエンテロウイルスでは、気管支炎の症状が出ることは稀です。しかし、症状が重症化すると気管支炎のほかに喘息発作を引き起こすこともあるでしょう。ほとんどないケースですが、気管支炎の完治後に麻痺を起こすこともあります。
細菌性気管支炎
風邪などで体の抵抗力が下がっていると、細菌に感染しやすくなりますよね。感染した細菌が気管支へ入り炎症を起こすと細菌性気管支炎となります。細菌性気管支炎かどうかは、細菌の検査で診断することができるでしょう。細菌性気管支炎は抗生物質が有効です。感染する主な細菌は、インフルエンザ菌や肺炎球菌、モラクセラ・カタラーリスです(※5)。
あまり聞き慣れないモラクセラ・カタラーリスですが、実は注意したい菌のひとつです。モラクセラ・カタラーリスは、それ単独で気管支炎の症状以外にも中耳炎を引き起こすことがあります。またインフルエンザ菌や肺炎球菌とあわせて感染すると、抗菌薬が効きづらくなる危険がありやっかいな菌です。(※6)
肺炎マイコプラズマによる気管支炎
マイコプラズマ・ニューモニエという微生物の感染が原因で、気管支炎や肺炎を引き起こすことがあります。咳やくしゃみなどの飛沫から感染をします。子供も元気そうに過ごすことが多く、肺炎や気管支炎を引き起こしていても気づきにくい病気といえるでしょう。肺炎マイコプラズマに感染しているかどうかは、血液検査で診断をします。(※7)
マイコプラズマ肺炎と気管支炎では、同じ治療法を取ることが多いでしょう。いずれも抗菌薬が処方されます。肺炎や気管支炎の症状が軽症であれば、入院せず通院で治療が可能でしょう。風邪のような症状だけど咳が続く場合は、早めに受診をしてみてくださいね。
(細気管支炎については以下の記事も参考にしてみてください)
子供が気管支炎になりやすい年齢・時期は?
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