排卵後に腹痛が…!もしかして妊娠!?実体験紹介!下腹部痛は危険?

【医師監修】排卵後に腹痛が起きて「これは妊娠のサイン?」と感じたことはありませんか?排卵後に腹痛を感じる際にはどのような意味があるのでしょうか。また、危険な兆候の場合の腹痛や下腹部痛についても気になりますよね。今回はそのような疑問に対して体験談を交えながら解説します。

( 3ページ目 )
Commentator
|
専門家監修
鈴木元晴
日本産科婦人科学会専門医医学博士。2000年に埼玉医科大学産婦人科学教室に入局。大学病院や同大学総合医療センターで勤務。主に生殖医療に従事し、不妊に悩む女性に寄り添う治療を行ってきました。・・・
> プロフィール詳細
Contents
目次
  1. そもそも排卵って?
  2. 排卵後に腹痛が…!原因は?
  3. 排卵後の腹痛はもしかして妊娠のサイン!?
  4. 腹痛後の妊娠検査薬はいつから使える?
  5. 排卵後の下腹部痛は危険?
  6. 排卵後に腹痛があった人の体験談
  7. 排卵後の腹痛が酷いようなら医師に相談を
妊娠検査薬はいつから反応がでる?フライング検査は要注意!

排卵後の下腹部痛は危険?

排卵日後の下腹部痛は妊娠のサインや月経前症候群(PMS)などである事が多いですが、中には危険な疾患が隠れている事もあります。そのような場合「どんな病気が考えられる?」「どうやって治すの?」と心配してしまいますよね。下記では、下腹部痛を感じた際に考えられる病気について解説していきます(※2)。

子宮内膜症

普段生理が重い方で、下腹部痛を感じる場合は子宮内膜症である事が多いです。子宮内膜症は、本来子宮内のみにある子宮内膜が卵管や卵巣などの臓器にも出来てしまう病気を指します。子宮内膜が厚くなる排卵日以降から生理がくるまでに痛む事が多く、内膜が増殖する事で、周期を繰り返すごとに生理痛や出血量が増える事が特徴です。

治療法では鎮痛剤で痛みを和らげるほか、ピルで生理を止めたり、漢方を使ったり、内膜が増殖している部分を切除する手術をしたりなどさまざまあります。よく医師と相談して自身に合った治療法を見つけてくださいね。

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮内に発生する腫瘍ですが、悪性のものではなく良性であることがほとんどです。発生原因は詳しく分かっていませんが、女性ホルモンの作用が関係していると言われています。子宮筋腫では痛みや出血などの症状はあまりありませんが、筋腫が肥大化してしまうと他の臓器が押されて、下腹部痛などが発生することがあるでしょう。

子宮筋腫が小さい場合にはそのまま様子をみることもできますが、筋腫が大きく妊娠や出産の妨げになるような場合には切除することがあります。

卵巣過剰刺激症候群の疑いも

卵巣過剰刺激症候群は「OHSS」と表記される卵巣の疾患です。不妊治療でhCG製剤を使用している人に多く、排卵日以降は特に起こりやすくなります。具体的な症状は卵巣に水が溜まったり、普段の何倍にも腫れ上がる事で下腹部痛を生じたりすることです。卵巣過剰刺激症候群が重症化してしまうと入院下での管理となり、長期での治療が必要となる場合もあります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を抱えている人も発症しやすいので、排卵日以降に卵巣が痛む、卵巣に疾患のある方などは下腹部痛を感じたら酷くなる前に病院に連絡しましょう。


鈴木元晴

産婦人科医 

OHSSが起こる原因として、内服や注射での排卵誘発剤の使用があります。それを使用していない状態でOHSSが起こることは、まずありません。また、PCOSの方は排卵誘発剤の効果が強く出てしまいやすく、慎重に排卵誘発をしないとOHSSを生じる可能性があります。そもそも、PCOSの方は、薬剤を使用しないと卵がなかなか発育しないため、薬剤を使っていないPCOSにhCGを投与してもOHSSが生じることはありません。

(つらい排卵痛については以下の記事も参考にしてみてください)

排卵痛がひどい…!薬・鎮静剤は効く?漢方は?激痛の場合は必要!

排卵後に腹痛があった人の体験談

排卵日後に腹痛を感じた人の体験談を集めたところ、以下のように着床痛で病院にかかり妊娠が判明した例もあります。

女性(人工授精経験有)

30代後半

人工授精が終わったその日の夜から下腹部痛が起こり、翌朝になっても痛みが引かないので病院で診てもらうと「卵巣が腫れてる、排卵日に使った排卵誘発剤のせいかも」と言われ安静にするように指示されました。

しかし痛みは治まらず、高温期10日目頃に再度受診すると「妊娠ホルモンが出始めたからもう少し痛むかも」とのこと。人工授精後に打ったhCG注射に刺激されて卵巣が腫れ上がり、その後妊娠した事でホルモンバランスが変わり腫れ続けていたのです。

結局妊娠5週に入る頃までは下腹部が圧迫されるように痛かったのですが、徐々に痛みは治まり、無事妊娠を継続できました。