1歳児の平均身長は?伸びない原因は危険な場合も?適切な対処法も紹介

【医師監修】1歳児の身長が伸びないのには何か問題があるのでしょうか。この記事では、1歳児の身長・体重の平均や、男の子・女の子別の成長曲線などを紹介します。さらに、身長が伸びない原因や、適切な対処法も紹介しますので参考にしてみてくださいね。

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Contents
目次
  1. 1歳児の身長・体重の平均値は?
  2. 1歳児の成長曲線を男の子・女の子別に紹介!
  3. 1歳児の身長が伸びない原因は?危険な場合も?
  4. SGA低身長症とは?
  5. 1歳児の身長が伸びないのときの適切な対処法!
  6. 1歳児の身長について知っておこう!

早い時期に断乳や卒乳をした子どもの場合は、ミルクや母乳の栄養が不足することになるため、食事の栄養バランスに特に気をつける必要があります。

(1歳の子どもの食事については以下の記事も参考にしてみてください)

1歳の子がご飯を拒否…原因や対処法!病気の可能性も?体験談あり

基礎疾患

1歳の子どもの身長が伸びないのは、基礎疾患が原因である場合もあります。肝臓病や心臓病、腎臓病などの慢性疾患や、アミノ代謝異常症や脳下垂体の近くの脳腫瘍など、さまざまな疾患がホルモン異常や栄養不良を引き起こし、低身長の原因になると考えられています。(※2)

ホルモンの異常

1歳の子どもの身長が伸びない原因としては、ホルモンの異常も考えられるでしょう。とくに、脳下垂体から分泌される「甲状腺ホルモン」と「成長ホルモン」が足りない場合、身長の伸びに影響を与えることが分かっています。(※2)

脳下垂体近くの脳腫瘍によってホルモンが分泌されにくくなっていることもありますし、頭を強くぶつけて脳下垂体に障害が起こってしまいホルモンが分泌されなくなっている場合もあるでしょう。

遺伝や体質

パート

30代

うちは私も夫も平均より身長が低いから、子どもも生まれた時からずっと平均より小さめだよ。1歳でも身長も体重も平均以下だったけど、遺伝かなってとくに気にならなかったな。男の子だとちょっとかわいそうだけど、女の子だから「まぁいっか」って。

1歳の子どもの身長が伸びない場合、原因のほとんどが子どもの体質や遺伝だとされています(※2)。両親が低身長だと、子どもも大体の場合は低身長になりますよね。また、両親だけでなく、祖父母からの隔世遺伝という場合もあります。

しかし、必ずしも低身長が遺伝するわけではないため、両親が平均以下の身長だったとしても子どもは平均以上に伸びることもあります。

会社員

20代

おじいちゃん、おばあちゃんも小さく、私も小さいので1人目の子どもも平均ギリギリラインの小ささ。低身長はしっかり子どもに遺伝してます。でも驚いたのが、2人目は大きく成長してること。平均より少しはみ出す勢い。遺伝ってわからないなーと思ったよ。

両親や祖父母の体質や体格が、どれくらい子どもの成長に影響を与えるかははっきりとは分かっていません。そのため、両親が平均よりも小さいからといって、子どもの身長に影響があるかもしれないと心配しすぎる必要はないでしょう。

病気の可能性も

子どもの身長が伸びない場合、低身長をきたす疾患が隠れていることも考えられます。低身長の症状がある病気は「SGA低身長症」があります。SGA低身長症については下記の見出しでくわしく紹介します。

また、女の子のみ発症する「ターナー症候群」も低身長の要因となる病気です。ターナー症候群は、染色体が欠けることにより女性ホルモンや成長ホルモンが不足してしまいます。(※2)

さらに、骨や軟骨の病気によって、低身長になることもあります。軟骨異栄養症の場合、体にくらべ手足が短いなどバランスに問題があり気づくケースもあるでしょう。

SGA低身長症とは?

1歳の子どもの身長が伸びないとき、SGA低身長症が原因であることも考えられます。ここでは、SGA低身長症について症状と治療法をくわしく解説します。(※2)

SGA低身長症の症状

SGAとは「Small for Gestational Age」の略で、ママのお腹の中にいる期間に相当する標準身長・体重に比べ、小さく生まれてきた赤ちゃんのことです。赤ちゃんの出生時の身長・体重をみて、専門の医師がSGAかどうかを判断します。

SGAであった場合でも、ほとんどの赤ちゃんは2~3歳までに平均身長に追いつきます。しかし、この頃までに平均身長に追いつかない場合、SGA低身長症の可能性を疑う必要が出てくるのです。治療を受けなければ、大人になっても低身長のままということもあります。

SGA低身長症の治療法

SGA低身長症の場合、ホルモン治療が必要になります。SGA低身長の診断・治療をしてもらうためには、小児内分泌外来を受診するようにしましょう。小児内分泌外来で詳しい検査を行い、治療が必要かどうかを判断します。

SGA低身長症の治療法は、毎日のホルモン注射です。成長期が終わるまで、毎日就寝前に注射でホルモンを補います。自宅で簡単に注射できるペン型の注射器を使用するため、それほど大きな負担なく治療が可能です。