『9歳の壁』とは?抽象的思考の発達で子供が不安に?親の対応を心理学をもとに紹介

【医師監修】『9歳の壁』という言葉を知っていますか?この記事では、9歳の壁とは? という疑問をはじめ、9歳の壁にぶつかる原因や、乗り越えるための親の対応を心理学をもとに解説します。さらに、9歳の壁に関する【体験談】も紹介しますので参考にしてみてくださいね。

( 2ページ目 )
Contents
目次
  1. 9歳の壁とは?抽象的思考の発達で子供が不安に?
  2. 9歳の壁にぶつかる原因は?
  3. 9歳の壁を乗り越えるための親の対応を心理学をもとに紹介
  4. 9歳の壁に関する体験談
  5. 子供が9歳の壁を乗り越えるために親がサポートしよう

自分を客観視できる力が発達してくることも、9歳の壁や10歳の壁につまずく原因の1つです。小3~小4になると、自分自身を客観的にみて周囲と比べられるようになります。そのため、自分が周りよりも劣っていると感じ自信をなくしてしまう子供が多いのです。

小3~小4になり抽象的な学習内容が増えたことが重なり「自分は頭が悪い」と思い込んでしまう子供も多くいますよ。

9歳の壁を乗り越えるための親の対応を心理学をもとに紹介

心理学では、小3~小4の子供の特徴を「ギャングエイジ」と表現します(※1)。ギャングエイジ期を迎えた子供は大人や親から離れ、子供同士で社会を形成しはじめます。

小3~小4のギャングエイジ期には反抗期のような反応も見られるので、どう対応するべきか悩んでしまう親も多いでしょう。以下から子供が9歳の壁を乗り越えるために、親がするべき対応を紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

子供の良いところを褒める

子供が9歳の壁や10歳の壁にぶつかっている時は、良いところを見つけて褒めてあげることが重要です。抽象的思考の発達により、この時期の子供は自分のマイナスな部分にばかり目がいっている可能性があります。周りと比べて「自分はこんなに劣っている」と不安になってしまう子供もいるでしょう。

子供が不安を感じている時は、子供の良いところを具体的に伝えて褒めてあげるようにしてくださいね。自分の長所や得意なことを見つけると、子供は壁を乗り越えやすくなります。

(褒めることについては以下の記事も参考にしてみてください)

「褒める」ことの絶大な効果!仕事・恋愛で使える秀逸な褒め方15選も!

別の視点を提示してみる

子供が9歳の壁や10歳の壁にぶつかるのは、抽象的思考が発達したことが原因である可能性が高いです。しかしその反面、想像力が十分に育っていないため抽象的な学習内容に対応できず、つまずいてしまう子供もいます。

想像力不足が原因で壁にぶつかっている子供には「考えることは楽しい」と感じさせることが重要です。考えることを楽しいと感じれば、子供は自分からいろいろなことを想像するようになります。子供が現実にないことを想像するたびに、抽象的思考や想像力が育まれていくでしょう。

甘えを受け入れる

小3~小4くらいは、まだまだ親に甘えたい時期です。親に反抗的な態度を見せている時は「親に自分の反抗的な態度を認めてほしい」と期待する気持ちを持っているでしょう。

心理学的には親よりも友達を優先する時期とされています。しかし、親に甘えたいと考えている子供も多いでしょう。子供が親に頼って甘えてきた時にはしっかり受け入れてあげることが重要です。

必要なことは具体的に教える

小3か~小4の時期は抽象的思考が育ってくる時期です。しかし、考える力はまだまだ未熟です。心理学的には子供同士で社会を形成し親から離れていく時期と言われていますが、1人で全てを考え、自分達の力だけで行動できるほど大人ではありません。そのため、子供に必要なことは具体的に教えてあげることが重要です。

「優しくしなさい」「落ち着いて」などの抽象的な言葉を子供に使うママは多いですね。しかし、9歳前後の子供はこういった抽象的な言葉の意味を理解しきれず、困ってしまう可能性があるのです。9歳前後の子供には、次にするべき行動を具体的に分かりやすく伝えてあげるようにしてくださいね。

客観的視点で指導する

小3~小4の子供に注意や指導をする時は、客観的な視点で話しましょう。「わがままはだめ」や「乱暴は止めなさい」という叱り方では、子供はどの部分がダメでどう直していいのかを理解できません。何がダメなのか理解できないと、同じような間違いを繰り返してしまう可能性が高いでしょう。

注意や指導をする時は Who(だれが)When(いつ)Where(どこで)What(なにを)Why(なぜ)How(どのように)という5W1Hを意識し、客観的かつ具体的に伝えることが重要です。客観的かつ具体的に伝えることで、次に似たような事態が起きた時に正しい判断をできるでしょう。

読書をさせる

9歳の壁や10歳の壁を乗り越えさせるためには、子供に読書の習慣をつけさせることも大切です。本を読むことで、子供はさまざまな能力を身につけることができます。

本の登場人物の行動を客観視することで、実生活でも周囲の状況を客観的に認識する能力が育まれます。また、物語を通じ登場人物たちへ共感することで周りの人間に共感する力が育まれるでしょう。

ほとんどの物語には抽象的な教訓が盛り込まれています。本に込められたメッセージを読み取ることで、抽象的思考を一気に発達させることができるでしょう。

家事を手伝ってもらう

9歳の壁や10歳の壁を乗り越えさせるためには、子供を褒めて自己肯定感を付けさせることも重要です。友人関係や学校生活、成績などの面で子供を褒めるのが難しい時は、家事を手伝ってもらうことをおすすめします。

「家事の手伝いをさせ、上手にできたら褒める」ことを続ければ、子供の自己肯定感を高めることができるでしょう。

自然体験をさせる