母乳の成分は?作られる仕組みや、おっぱいの栄養素・カロリーなどを解説!

【医師監修】母乳の成分についてくわしく知っていますか?この記事では、母乳の成分をはじめ、母乳が作られる仕組みを紹介します。さらに、母乳のカロリーや色・味、母乳にいいオススメの食べ物・飲み物も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

Contents
目次
  1. 母乳の成分は?
  2. 母乳の成分は、時間が経つと変わる?
  3. 母乳が作られる仕組みは?
  4. 母乳のカロリーは?
  5. 母乳の色・味は?
  6. 母乳にいいオススメの食べ物・飲み物
  7. 母乳のことをもっと知ろう!

母乳の成分は?

母乳には、炭水化物やタンパク質、脂肪やミネラルなど赤ちゃんに必要な栄養素がたくさん含まれています。しかし、炭水化物やタンパク質など広く知られている栄養素は、母乳の成分のうちほんの一部でしかありません。以下から母乳に含まれる成分や栄養素について、よりくわしく紹介します。

(母乳については以下の記事も参考にしてみてください)

母乳が出る時期はいつから?出ない原因は?母乳量を増やす対策も紹介!

糖質

糖質は母乳の固形分の約6割を占めています。

母乳の中に含まれる糖質は、大きく分けて「乳糖」「オリゴ糖」です。乳糖は、母乳や牛乳など乳にしか含まれない糖分です。乳児の消化管に入ると、エネルギー源や糖たんぱく質、脳神経系の構成成分として重要な役割を果たします。オリゴ糖は腸内で悪玉菌から赤ちゃんを守る働きを持っていますよ。

タンパク質

母乳には、およそ0.8~0.9%のタンパク質が含まれています(※1)。タンパク質は筋肉・臓器・皮膚・血液など体のほとんどの部分の材料となる大切な成分です。母乳の成分中のタンパク質は胃の中で凝固しにくく消化しやすいので、赤ちゃんが消化吸収しやすく体に優しいですよ。

脂質成分

母乳には、トリグリセリドやコレステロール、リン脂質や糖脂質などさまざまな種類の脂質が含まれています。そのうちの98%を占めるのが中性脂質である「トリグリセリド」です。

中性脂質と聞くと、ギョッとしてしまうママもいるでしょう。しかし、トリグリセリドは赤ちゃんにとって重要なエネルギー源です。脳や神経系の発達のために重要な役割を果たしています。

成長因子

母乳には赤ちゃんの体を健全に発達させる「成長因子」も含まれています。成長因子は、赤ちゃんの脳を成長させるために重要な成分です。

酵素

母乳には、40種類以上の酵素が含まれています。酵素は食べた物の栄養を分解・消化・吸収して体の働きをサポートする栄養素です。母乳に含まれる酵素は、赤ちゃんの消化器系や免疫系のサポートをしてくれますよ。

抗体

母乳には「免疫グロブリン」という抗体も含まれます。免疫グロブリンは、赤ちゃんを感染症や病気などから守る大切な抗体です。(※2)

ホルモン

母乳には必須アミノ酸や感染防御因子、ビタミンやインスリンなどたくさんのホルモンも含まれています(※3)。ホルモンには体の中の働きをサポートする役割があります。

特に母乳に含まれるホルモンには、赤ちゃんの睡眠や空腹のリズムを整える役割がありますよ。

ビタミン・ミネラル

ミネラルは、赤ちゃんの骨や歯が作られることをサポートしてくれる成分です。(※4)母乳にはナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・ルビジウム・ヨウ素・銅などのミネラルが含まれています。

中でも鉄・亜鉛・銅・セレン・ヨウ素は体の構成成分や代謝などに関わる特に重要な成分です。欠乏すると障害を引き起こす可能性もあるので、欠乏しないよう注意が必要です。

重要な成分なので、粉ミルクでも国際的な規格として決められていますし、一部の成分を強化するよう、日本の法律でも義務づけられていますよ。