母乳が出ない…。原因は?授乳の『コツ』を知れば一瞬で悩みが解決できる!

【医師監修】思うように母乳が出ないと悩んでいませんか?母乳が出る仕組みをはじめ、悩みを解消する授乳のコツや、母乳が出ない原因別の対処法について紹介します。母乳が出ない時期を乗り越えた先輩ママたちの【体験談】から、母乳が出ない悩みを解決する糸口を探ってみましょう。

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Contents
目次
  1. 母乳が出る仕組みを理解しよう!
  2. 母乳が出ない悩みを解消する授乳のコツ
  3. 母乳が出ない原因別の対処法
  4. 母乳が出ない時期を乗り越えた先輩ママたちの体験談
  5. 母乳育児でおっぱいが出なくても気にし過ぎないで

同じように母乳が出ないと言っても、原因となる事柄は色々あります。原因がわかると対処できる可能性があるので、まずはどうして母乳が出ないのか原因を探ってみるところから始めましょう。

おっぱいの含ませ方を見直そう

新生児期~生後2ヶ月程度で、母乳の出が悪かったり母乳が出ないという時は、まずおっぱいの含ませ方が原因でないか考えてみましょう。おっぱいの含ませ方にはコツがありますが、そのコツを掴めていないと含ませ方が浅くなり母乳の出が悪くなりがちです。

まずお腹が密着しているか確認することで対処してみましょう。横抱きや縦抱きで授乳する場合は、赤ちゃんとママのお腹は密着します。少し意識してみましょう。密着していないと浅いくわえ方となってしまい、母乳が出にくくなってしまいます。

また、赤ちゃんの口はラッパのように開いているか確認してみましょう。赤ちゃんはお腹が空いているので、早く飲もうと焦っておっぱいに向かってきます。しかし、口の開きが中途半端なままにおっぱいを含ませてしまうと、浅い含ませ方になってしまいます。しっかりと口が開いてから、おっぱいを含ませるというのは有効な対処です。

ミルクよりも母乳を優先する

母乳の出が悪いと、ママは赤ちゃんの栄養が足りないかもしれないと心配になります。新生児期は特に色々なことが手探りですので心配ですよね。その心配からミルクを必要以上に与えてしまっている場合があります。母乳は飲ませることで、母乳を出すホルモンが分泌されます。つまりミルクでお腹を膨らませてしまうと、ホルモン分泌のチャンスが減るのです。

対処として、ミルクをあげるより先に母乳をあげることをおすすめします。哺乳瓶は、まだ授乳に慣れていないママのおっぱいよりも弱い力で吸い出すことが可能です。お腹が満たされた状態では、ママのおっぱいを頑張って飲もうという気持ちが湧きにくくなります。混合で行う場合は、母乳をミルクよりも先にしましょう。

また、ミルクはあげすぎないことが大切です。母乳はどの程度飲んだのかが把握しにくいでしょう。しかし、あまり出ていないからとミルクをたくさんあげてしまうと、なかなかお腹が空きません。飲んだ母乳のおよその量が知りたければ、飲む前と飲んだ後で赤ちゃんの体重を計るとわかります。その分を規定量から引いたくらいがちょうどいいミルクの量になります。

(ミルクについては以下の記事も参考にしてみてください)

混合育児のやり方!母乳・ミルク主体の各メリットや、量などの注意点も!

授乳の時間を増やす

赤ちゃんがよく寝てくれて、5~6時間授乳間隔が空いてしまったりすることが多いと、母乳の分泌量が減ってしまうことがあります。これも新生児~生後1ヶ月の間くらいに考えられる原因のひとつです。母乳は赤ちゃんがどれだけ吸ったかによって、赤ちゃんに合った量を分泌できるようになっています。間隔が空けばそれだけ分泌量が減ってしまうのです。

新生児~生後1ヶ月は泣いたら授乳することが良い対処となります。この時期は頻回に授乳することで、母乳を作るホルモンがしっかりと分泌されます。赤ちゃんの成長に合わせて母乳が出るようになるのです(※2)。もし泣かなくても3~4時間に1回は起こして授乳するようにしましょう。

また、ママがしっかり栄養を取ることで対処できる場合があります。赤ちゃんがいると、つい自分の食事などはおろそかにしてしまいがちです。しかし、ママがしっかりと栄養を取っていることは、良い母乳を作るうえで大切なことです。1日3食、できるだけ規則正しい食生活を送りましょう。

(ママの食事については以下の記事も参考にしてみてください)

母乳育児中の食事方法!授乳中に良い・控えるべき食べ物!量・味など母乳の質を向上しよう!

ママの体を温めよう

母乳はママの血液からできています。ママの体が冷えてしまっていると血流が悪くなり、母乳の出も悪くなりがちです。冷房の中で薄着で過ごしていたり、冷たいものばかりを摂っていませんか?

身体の中で「首」のつくところを温めるのは良い対処法となります。首のつくところ、つまり首、足首、手首を温めると体が温まります。レッグウォーマーなどを使って冷やさないように気をつけましょう。家の中であれば、首周りにタオルなどを巻くのもおすすめです。

また、その他にできる対処としてはストレッチを日課に取り入れるというのがあります。新生児期の赤ちゃんがいると、なかなか運動をすることも難しいでしょう。しかし軽いストレッチやヨガなどは育児の隙間時間に家でも手軽にできる運動です。赤ちゃんが機嫌よくしている時に、少しでもやっておきましょう。

乳頭のマッサージをする

陥没乳頭や扁平乳頭と呼ばれる乳首の形状は、赤ちゃんが母乳を飲みにくい乳首であると言われています。陥没乳頭とは、乳頭が乳輪よりも内側に入っている状態です。扁平乳頭とは、乳頭が通常よりも短い形状です。

どちらも、赤ちゃんが吸い付きにくい形状ですが、練習次第で飲めるようになる赤ちゃんがほとんどです。乳頭を柔らかくするマッサージは良い対処方法となります。

また、自分でできない時は助産師に相談しましょう。助産師はマッサージのやり方も教えてくれますし、授乳しやすいスタイルも見極めてくれます。困った時は、助産師さんに相談してみると原因や対処方法を考えてくれますよ。

授乳スタイルを変えてみよう

合わない授乳スタイルを続けることでうまく赤ちゃんが飲めず、母乳の分泌が減ってしまう場合もあります。また乳腺炎などトラブルの原因となってしまう場合もあるでしょう。

まずは、先に紹介した4つの授乳スタイルを試してみることで対処方法が見えてきます。常にひとつのやり方ではなく、色々な授乳スタイルにチャレンジしてみましょう。うまく深く含ませられて、母乳が出やすいポジションが見つかる可能性があります。また色々な角度で飲ませることができるため乳腺が詰まってしまうトラブルを予防できるでしょう。

やり方がよくわからない時は助産師に相談してみるのが解決への近道ですよ。助産師はたくさんのママのおっぱいを見てきています。大きさや形状を見て合うやり方を教えてくれます。自分でうまく見つけられない時は、ひとりで悩まずに相談してみましょう。

(授乳姿勢については以下の記事も参考にしてみてください)

授乳姿勢・抱き方のコツ!赤ちゃん・ママが楽になる方法で母乳をあげよう!

疲れやストレスがたまっている

これは新生児の頃だけでなく、いつでも起こりうる原因です。一度出るようになっていても、ママが疲れやストレスをためていることで母乳の出が急に悪くなることもあります。また、疲れやストレスは母乳を押し出すホルモンである「オキシトシン」の分泌を阻害してしまいます(※3)。

赤ちゃんと一緒に休むようにするのは今からでもできる対処方法です。やらなければならない家事があるかもしれませんが、今は後回しにして一緒に休むようにしましょう。

またパパや祖父母、自治体の力を借りるというのも対処方法として有効です。赤ちゃんとの生活に慣れてきた頃に、どっと育児疲れが出てくることがあります。数時間でも赤ちゃんを預かってもらって、美容院に行ったりお茶したりするだけでもストレスや疲れはぐっと軽くなりますよ。ママにしかできないこともありますが、育児は一人で背負い込む必要はありません。

水分をたくさんとる

母乳をあげるということは、ママの体内から水分をあげているということです。ママは二人分の水分をとる必要があります。水分摂取をおろそかにしていると、母乳の出具合に影響する場合があります。水分不足から母乳が出ないという場合もあるのです。

1日2Lを目安に水分を摂るようにしてみましょう。水分は一気にとっても意味がありません。こまめに時間を空けて摂取するといいですよ。授乳のあとにコップ1杯の水分をとるように習慣づけておくと、飲み忘れがなく良いでしょう。

おすすめは常温の水か、麦茶などノンカフェインのお茶です。コーヒーなどを我慢しているママもいるでしょう。カフェインが多いコーヒーもできる範囲で避けたほうがいいですが、糖分が多いジュースも大量に飲むのはおすすめしません。また夏などは冷たいものを飲みたくなりますが、冷たいものをたくさん飲むのは体が冷えるためできるだけ避けましょう。