赤ちゃんの吐き戻し。母乳・ミルクを嘔吐する原因は?適切な対処法も紹介

赤ちゃんは授乳後、よく吐き戻したりします。突然のことに驚き、病気ではと心配にもなります。母乳やミルクを嘔吐(おうと)する原因、対処法、やってはいけないこと、病気の可能性など赤ちゃんの吐き戻しについて先輩ママの体験談を交えて説明します。参考にしてください。

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Contents
目次
  1. 赤ちゃん・新生児は吐き戻ししやすい?【体験談】
  2. 赤ちゃんが母乳・ミルクを嘔吐する原因は?
  3. 赤ちゃんの吐き戻し対策・対処法は?
  4. 赤ちゃんが吐き戻した時にしてはいけないことは?
  5. 赤ちゃんの吐き戻しは病気の可能性も?受診の目安は?
  6. 赤ちゃんの吐き戻しは要注意な場合も

吐き戻した後すぐに仰向けにはしないようにしましょう。すぐに仰向けにすると、口の中に残った嘔吐物が喉に落ちて窒息してしまう恐れがあります。特に首がすわっておらず寝返りが打てない赤ちゃんは、自分で横向きになるのが難しいので危険です。必ず口の中の嘔吐物がなくなってから横向きにしましょう。

急いで着替えさせない

急いで着替えさせないでください。一度吐いても、まだ胃の中が落ち着いていない可能性もあります。その時に急いで着替えさせようとすると、体を動かした拍子に赤ちゃんが苦しくなってしまうかもしれません。タオルで汚れを拭き取り、しばらく縦抱きにしてから着替えさせましょう。

無理に授乳や水分補給をしない

たくさん吐いてしまったからといって、無理に授乳や水分補給をしないようにしましょう。胃の容量以上に飲んでしまっている場合もあるので、たくさん吐いてしまった場合も次にお腹が空いてからあげるようにします。白湯やお茶での水分補給も、30分程度様子を見て機嫌の良いときに与えるようにするといいでしょう。

(水分補給の仕方については以下の記事も参考にしてください)

赤ちゃんの飲み物はミルク・母乳以外でもOK?いつから?水分補給について詳しく解説!

赤ちゃんの吐き戻しは病気の可能性も?受診の目安は?

赤ちゃんの吐き戻しの原因は多くの場合、特別な心配はなく、成長と共に吐き戻すこともなくなり、しっかり消化できるようになっていきます。しかし、時に胃の病気の危険性もあります。病気である場合は早めに受診して治療しましょう。

主な病気の種類について紹介していきます。通常の吐き戻しと病気の可能性を見極める兆候と、受診の目安も説明します。

胃軸捻転

胃軸捻転(いじくねんてん)は、未発達の赤ちゃんの胃がねじれて食道を圧迫してしまうことで起こります。赤ちゃんによくある病気です。たいていは手術などの心配はありません(※2)。胃の中に入った空気をうまく出せずに以下のような症状が出るので、ゲップを促す対応をします。

●新生児で、一日中機嫌が悪いことがある
●おならが頻繁に出ている
●授乳後の嘔吐がある

まれに状態が悪くなることもあるので、早めの受診で医師の診断を受けましょう。

肥厚性幽門狭窄症

肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)は、胃の出口の筋肉が分厚くなって狭くなり、胃から十二指腸へ母乳やミルクが通る動きが悪くなる疾患です。発症頻度は多くありませんが、生後3週間頃から生後3カ月頃までの間に発症します(※3)。脱水がひどくなることが多いので、入院して手術か薬物治療を行います。肥厚性幽門狭窄症を疑う兆候は以下の点です。

●母乳やミルクを吐いた後欲しがるものの、繰り返し吐く
●噴水のように吐く
●嘔吐物が黒っぽくなったり血液が混じる

新生児・乳消化管アレルギー

新生児・乳消化管アレルギーは、新生児で発症する病気で主に粉ミルクを飲ませた後、24時間以内に症状が出ます。粉ミルクに含まれるたんぱく質にアレルギー反応が起こってしまうのです。医者の指示でアレルギーを起こさないミルクを飲ませることで症状が出ないようします(※4)。乳消化管アレルギーを疑う兆候は以下の点です。

●嘔吐
●下痢
●血便

通常の吐き戻しとの違い・受診の目安

これらの病気について、通常の吐き戻しとの違いや受診の目安をあらためて例示します。成長過程でよくある吐き戻しと似通った点もあります。赤ちゃんに次のような様子が見られたら早めに受診してください。

●噴水のように激しく吐くことが頻繁にある
●数日以内に急に発症した
●体重がなかなか増えない
●不機嫌だったり下痢や血便、発熱など他の症状が伴う
●吐き戻した後に苦しそうにしたりぐったりしている

赤ちゃんの吐き戻しは要注意な場合も

赤ちゃんの吐き戻しにはまれに胃の異常や病気が隠れている場合があるので、気を付けなければなりません。また、生後6カ月までは母親由来の免疫が備わっているので感染症などにかかりにくいのですが、6カ月を過ぎると母親由来の免疫は落ちてきて、病気にかかりやすくなります(※5)。

感染性の胃腸炎による嘔吐である可能性もあり、その場合は周りの家族も感染しかねません。いつもと違う様子があったり症状に違和感があったりしたら、迷わず早めの受診を心がけましょう。