【医師監修】妊娠5週の妊婦・胎児の状態は？胎嚢は見える？つわりは？

赤ちゃんの体は胃や腸などもでき、心臓や脳といった各器官もできてきます。心臓に血液を送る大動脈もできてきます。5週目の終わりごろには、できあがってきた各器官に心臓から血液が送られるので早ければ心音が確認できることもあるでしょう。

心音確認は正常妊娠確認にとって重要な事ですが、妊娠5週目ではまだ多くの人が確認できないので、あせらないようにして下さい。一般的に心音は8週目までに確認できるとされています。

（5週目の時期については以下の記事も参考にしてみてください）

妊娠初期の妊娠5週目は流産の危険性が高い時期なので、出血や腹痛などに注意しなくてはいけません。しかし、この時期の流産は奇形など異常な妊娠であったりするので、いくら注意しても防げるものではありません。この時期の流産のリスクを詳しくご紹介します。

化学流産とは、妊娠検査薬で陽性反応が出るものの、エコーで胎嚢が確認できず流産になってしまう状態です。化学流産したとしても、生理が遅くきたかなと思うくらいで気が付かない場合もあります。早期妊娠検査薬では生理予定日から検査が可能なため、今までなら気付くことのない化学流産も知る機会が増えることになります。

胎嚢は妊娠5週目から6週目くらいに確認できるので、化学流産は妊娠6週目までに起こることになります。化学流産は医学的には流産ではないのですが、言葉の意味上、化学流産と言われています。

化学流産の原因ははっきりとわかっていませんが、染色体異常や着床異常などで起こるので、ママの行動が原因であるとは考えにくいとされています。ですから、化学流産をしたとしても自分を責めるようなことはせず、あまり落ち込まないようにしましょう。

妊娠5週目は妊娠初期のために、まだまだ流産する可能性が高い時期です。この頃の流産の兆候としては、出血量が多い、強い腹痛が続く、腰に痛みがあるなどです。これらの症状の時は急いで病院を受診しましょう。妊娠初期は少量の不正出血はよくあることなので、出血イコール流産とは限りません。出血の色が鮮血であったり、出血の中に塊が出た時も流産の可能性が高いです。

妊娠初期の流産の主な原因は、受精卵の異常などでうまく細胞分裂できなかったためと考えられます。せっかく授かった命に落胆する人も多いでしょうが、ママに原因があるわけではなく、多くは赤ちゃんに原因があったり、また原因不明で流産になったりもします。

胎嚢が確認されたり、心音が聞こえることで流産の危険性はぐんと減ると言われています。しかし、流産の可能性はゼロではないので、心音が聞こえたからと言ってもその点は心にとめておいて下さい。

（初期の流産については以下の記事も参考にしてみてください）

妊娠検査薬で陽性反応が出ても、受精卵が子宮以外の場所に着床してしまう子宮外妊娠の場合もあります。子宮以外では、その9割近くは卵管に着床してしまいます。子宮外妊娠はそのままにしておくと卵管内で受精卵が成長して、激しい腹痛を伴い卵管が破裂する危険性があります。出血や急に激しい腹痛がある場合は、急いで病院へ行きましょう。

子宮外妊娠は基本的に手術（卵管切除術、卵管線状切除術）の必要があり、尿検査では陽性なのに病院で胎嚢が確認できない場合は注意が必要です。病院で胎嚢が確認できなくても、排卵日のずれや、妊娠初期のために確認できないこともあります。少量の出血が続くなど、異変を感じたらすぐに病院を受診しましょう。また、場合によっては手術ではなく、化学療法（メトトレキサートMTX）を使用することもあります。