3歳児の睡眠時間の平均は?理想の起床・就寝時間や睡眠習慣を整えるコツも!
【医師監修】3歳児の睡眠時間の平均や、理想の起床・就寝時間など、育児の中でも睡眠時間というテーマは疑問や不安が生まれやすい分野と言われています。お昼寝の必要性や、睡眠不足が与える影響、睡眠不足の場合に子どもが出すサイン、3歳児の睡眠習慣を整えるコツについてお伝えします。
3歳児にとって、一般的にはまだまだお昼寝の必要性は高いと言えますが、毎日絶対に必要とは言い切れない部分もあります。朝からあまり活動的に過ごしておらず、眠くなっていない状態で無理矢理お昼寝をさせようと躍起になる方が、かえって親子ともにストレスになる場合もあり得ますよね。
お昼寝で得られるメリットよりも、お昼寝をするために感じるストレスの方が上回ってしまっては本末転倒です。
3歳児の場合、その日の疲れ具合や体力、夜間の睡眠時間、子どもの性格・個人差など、いくつかの観点からお昼寝の必要性を柔軟に判断することが重要になってきます。
新井昇子
小児科医
うちの息子は3歳になるとお昼寝を嫌がるようになりました。それまでは一緒にゴロゴロしていると寝てくれたのですが、遊びたい気持ちが強くて、私が寝たふりしても一人で遊び続けていました。そうすると17時ごろの夕飯を食べながら寝てしまうことが続き、夕飯は食べて欲しいし、歯磨きもしたいし〜!と、困ってしまいましたが、息子にとっては、とっても充実した一日だったのだろうなと思うと、無理にお昼寝をさせたり、起こして夕飯を食べさせたり、歯磨きをしたりするのはお互いにとって良くないなと思うようになりました。 ただ、栄養のことと、虫歯になるんじゃないかということが心配でしたので、できる日はおやつの時間帯にご飯を食べさせたり、歯磨きしないで寝てしまった翌日は必ず歯磨きしてから寝るようにしたり、私ができる範囲で工夫をしていました。 一週間くらいのスパンで足りない栄養を補い、虫歯になっていないかのチェックをしていき、睡眠時間や、お昼寝に関してはあまり気を揉まないように自分自身のストレスになるようなことはしないようにしていました。 ついその日、その時のことばかり考えてしまったり、睡眠時間にこだわるあまり、目の前の子供との時間を楽しめなかったりしますが、視点を変えてみるとご自身も子供も楽しく過ごせることが増えるかもしれませんね。
睡眠不足が3歳児の子どもに与える影響は?
睡眠やお昼寝が良い効果をたくさんもたらすことは分かりましたが、逆に現状不足しがちな子どもの睡眠時間が及ぼしている影響とはどんなものなのでしょうか。
それでは、3歳児にとって睡眠時間の不足がどれほど影響のあるものなのかをご紹介します。
成長ホルモンが十分に分泌されない
睡眠時間が十分に確保できないと、睡眠の質も比例して悪くなりがちです。成長ホルモンは入眠してから3時間前後で分泌され始めるというデータがありますが、このタイミングで深い眠りに入れていることが重要です。
子どもは大人よりも短いサイクルで深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)を繰り返しています。このサイクルをしっかり繰り返すことができないと、成長ホルモンが正常に分泌されません。
成長ホルモンは、筋肉や骨の成長を促したり体力を回復したり、細胞の修復をしたりとさまざまな役割を持っています。3歳児の成長に欠かせない物質であるため、成長ホルモンが分泌されづらくなるという現象は、深刻な問題と言えるでしょう。
(3歳児の身長と睡眠時間の関係については以下の記事も参考にしてみてください)
集中力がなくなる
大人にも当てはまる現象ですが、睡眠時間が不足すると慢性的な集中力欠如の状態になります。睡眠不足ということは、常に眠いと感じている状態ですので、眠いということ以外に意識が働かず、子どもが本来持っている集中力が発揮されないという事態になります。
色々なことに興味を持ち、考え、体験することでどんどん成長していくのが3歳頃の大きな特徴です。集中力が欠けていると興味も芽生えづらく、思考力もなかなか育たないため、結果的に成長の妨害になってしまうのです。
イライラしやすくなる
睡眠時間が不十分だと「眠い」という不快感が続くため、イライラしやすくなります。
3歳児はまだ、自分がなぜ今不快でイライラしているのかを、明確に解明できないことも多いですし、大人に正確に伝えられないことも多いですよね。
眠さからくるイライラと、それを伝えられないもどかしさからくるイライラが相まって、とてもストレスフルな状態になってしまいます。
また科学的にも、睡眠時間が不足すると「セロトニン」と呼ばれる感情をコントロールするホルモンが減少するため、イライラしやすくなると証明されています(※4)。
無気力・無関心を引き起こす
集中力の欠如にも通ずる部分ではありますが、睡眠不足の場合とにかく眠気に支配されているため、常にボーっとしていたり無表情になっていたりするケースが多く見られます。
3歳児の脳の成長の根源は興味・関心にあります。基本的に子どもは、こちらがハラハラするくらい何にでも興味津々で、なんでもやってみたい触ってみたい生き物です。しかし睡眠時間の欠如により、この大切な土台の部分が機能しなくなることで、精神的な成長を滞らせることになりかねません。
学習能力の低下
睡眠のもたらす効果に学習能力の向上という事実がありましたが、睡眠不足はこの逆の現象が起きます。睡眠不足は、記憶力や思考力の低下を引き起こすと言われています。しっかりと脳と体を休めないことには、新しい知識や情報をうまく処理することはできません。
脳の、特に海馬(記憶力を司る部分)の成長にも睡眠時間は大きく関係していますので、睡眠時間が不足すると脳の発達の妨げにもなると言えます(※5)。
(3歳児の能力や発達については以下の記事も参考にしてみてください)
肥満傾向に
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