育児放棄(ネグレクト)の種類別の実例や、原因・対処法は?子どもへの影響についても解説

育児放棄(ネグレクト)とは、保護者が育児をせずに子供をほったらかしにする状態のことで、児童虐待の一種です。この記事では、育児放棄の種類・実例や、育児放棄に陥いるきっかけや理由・原因・対処法を解説します。子どもへの影響や、体験談もご紹介します。

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Contents
目次
  1. 育児放棄(ネグレクト)とは?基準は?
  2. 育児放棄の種類・実例は?
  3. 育児放棄に陥るきっかけや理由は?貧困が原因?
  4. 育児放棄が子どもに与える影響は?
  5. 育児放棄(ネグレクト)の兆候がある場合の対処法
  6. 育児放棄したくなったら第三者に相談しよう!

心理的な影響

心理的な影響としては、健全な人間関係が結べない、達成感を感じない、自己肯定感の欠如などがあります。

親から愛情を受けないとオキシトシンが十分に分泌されません。オキシトシンは、誰かを信頼したり大切にしたりするという感情を育むのに効果的なホルモンです。オキシトシンの分泌が不十分であると、人の気持ちが理解できず、尊敬心や責任感も欠如してしまいます。その結果、大人になってもコミュニケーションがうまく取れず対人関係に苦労することになります。

また、親から褒められた経験がないと、何をしても達成感を感じることが少なくなるかもしれません。他人に認められないので自分に自信が持てず、やる気や意欲が起きない消極的な人間になる恐れがあります。

行動面での影響

行動面での影響としては、反抗的、自傷行為、窃盗などがあります。親から愛された経験がないと、他人を信じることが難しい場合が多いです。そのため、人に対して反抗的な態度をとるようになってしまいます。また、人や物をどのようにして大切にすればいいのかがわからないので、いじめの加害者になったり、自傷行為をしたり、物を破壊したりするかもしれません。

食べ物や衣服が十分に与えられない場合、子供はどうにかしてそれらを手に入れようとします。その結果、盗みをはたらく、嘘をつくなどということに抵抗がなくなる可能性があります。

育児放棄(ネグレクト)の兆候がある場合の対処法

育児放棄の兆候がある場合は、速やかに対処することが必要です。ここでは、対処法を4つ紹介します。少しの勇気を出すだけで、子どもを育児放棄から守ることができますよ。

家族や友人に話を聞いてもらう

子育てで追い詰められそうな時には、信頼できる家族や友人に話を聞いてもらうようにしましょう。はけ口がなく1人でストレスを抱え込んでしまうと、そのことが原因で育児放棄をしてしまう可能性があります。具体的な解決策を教えてもらえなくても、話を聞いてもらうだけで心がすっきりしますよ。

パート

30代

産後うつで、子育てが辛い時期がありました。友人に相談したところ、同様の経験をしたことがあると知り、自分の心が弱いのではないとわかって安心しました。この経験から、周囲に育児で悩んでいる人がいる時は相談相手になるようにしています。

また、他者から意見を聞かないと、主体的な偏った思考になってしまい、育児放棄を助長してしまうかもしれません。第三者から客観的に見てもらうことで、自分のミスに気付くことがあります。小さな間違いを早く正すことで、育児放棄のリスクを抑えることができます。

支援センターや行政に相談する

身近に頼れる人がいない場合は、1人で悩まずに支援センター・行政・児童相談所などの公的機関に相談してみましょう。知り合いには相談したくないという場合にもおすすめです。これらは電話での相談が可能なので、顔を見せることなく匿名で気軽に相談することができます。

育児に詳しい人からアドバイスをもらうことは、安心して育児をするうえで大切です。適切な意見や正しい育児の知識をもらうことができると、自信のない保護者にとって大きな励みになります。

会社員

30代

シングルマザーで頼れる人がいなかったため、支援センターに育児の悩みを打ち明けました。親身になって話を聞いてくれて、心のモヤモヤが晴れました。このまま1人で子どもを育てる自信がなかったので、思い切って相談してみて良かったです。

貧困で悩んでいる場合にも、資金の貸付や就労に向けた支援を受けることができるので、早めに相談して解決策を見つけましょう。

子どもと一時的に離れて自分の時間を持つ

子どもと一時的に離れて自分の時間を持つことで、ストレスが解消して育児放棄をするリスクが減ります。真面目な保護者ほど子どもといつも一緒にいなければならないと思い込んでしまいますが、子どもを預けられる場所に置いて一時的に離れることは放置ではありません。少しだけ距離をとって自分と子どもを見つめ直すことで、新たに見えてくることもあります。

家事代行サービスや託児所を利用することも怠慢ではありません。親であってもやはり1人の人間なので、自分の時間が必要です。預けることで生じた時間を自分の好きなことに使うと、良い気分転換になって心にも余裕が生まれます。

派遣社員

20代

育児ストレスから、子どもをかわいいと思えなくなりました。子どもと距離を置くため、託児所に預けて仕事を始めました。仕事と子育ての両立は大変ですが、生活にメリハリがつくので自分には合っています。再び子どもに愛情を感じるようになりました。