育児放棄(ネグレクト)の種類別の実例や、原因・対処法は?子どもへの影響についても解説

育児放棄(ネグレクト)とは、保護者が育児をせずに子供をほったらかしにする状態のことで、児童虐待の一種です。この記事では、育児放棄の種類・実例や、育児放棄に陥いるきっかけや理由・原因・対処法を解説します。子どもへの影響や、体験談もご紹介します。

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Contents
目次
  1. 育児放棄(ネグレクト)とは?基準は?
  2. 育児放棄の種類・実例は?
  3. 育児放棄に陥るきっかけや理由は?貧困が原因?
  4. 育児放棄が子どもに与える影響は?
  5. 育児放棄(ネグレクト)の兆候がある場合の対処法
  6. 育児放棄したくなったら第三者に相談しよう!

ネグレクトの連鎖

親から育児放棄を受けて育つと、子どもにも同じことをしてしまうリスクが高まることが知られています。子どもは8〜10才までに人格が形成されると言われており、それまでは保護者の愛情が必要不可欠です

親から必要なものが与えられていても「自分を大切にしてくれる人がいて自分のことをわかってくれる」という経験がなければ、心に傷を負ったまま大人になってしまいます。親の愛情を知らないので、自分が親になった時にもどのように子どもへ愛情を注げば良いのかがわからず、育児放棄が連鎖してしまうのです。

会社員

20代

育児放棄を受けていた自分が子どもを持つとは思ってもみませんでした。自分の子どもなのに愛着がわかず、他人のようです。このままではこの子に自分と同じような思いをさせてしまうとは感じつつ、どうすることもできず困っています。

ここでの問題点は「子どもへの愛情の注ぎ方がわからない」という疑問を解決しないまま放置してしまうことです。

貧困や社会的な孤立

養育関係の育児放棄の発生原因は、貧困や社会的な孤立などです。経済的に困窮していると、子どもに満足のいく食事を与えることができない、医療費が払えないために病院で必要な治療を受けさせることができないなどといった問題が生じます。

生活費を稼ぐために保護者が夜間・長時間労働をしていると、子どもが放置された状態になってしまいます。特に、離婚などが原因で親が1人の家庭は、経済的に余裕のない場合が多いです。

パート

30代

夫の単身赴任中は育児を1人で行っていました。赤ちゃんと2人きりの生活は想像以上に過酷で、泣いている赤ちゃんを放置して別室に逃げることもありました。見かねた母が定期的に手伝いに来てくれたので、なんとか育児放棄をせずに済みました。

社会的に孤立していると、周囲に相談相手がおらず赤ちゃんと2人きりの状態が続いてしまうので、精神的に追い詰められてしまいがちです。孤立した家庭は子育てに関する知識や情報を共有しづらいという問題があります。また、何らかの事情があって家族に頼ることができずに1人で育児をしなければならない「ワンオペ育児」が続くことも、育児放棄の原因です。

親の知識不足

保護者が育児に関する知識を持っていない場合も、育児放棄につながる可能性があります。具体的には、子どもに与えるミルク・食事量が不適切である、子どもの病気や怪我に対して病院に連れていく判断基準がわからない、子どもに必要な予防接種や乳幼児健診の受け方がわからないなどです。

自分で調べない、必要な情報を共有を共有する場がないなどという状況だと、無意識のうちに育児放棄をしてしまう恐れがあるので注意が必要です。

(赤ちゃんが飲む粉ミルクの量については以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんが飲む粉ミルクの量は?月齢ごとの目安量や注意点!体験談も

育児放棄が子どもに与える影響は?

育児放棄が子どもの心身に大きな影響を与え、取り返しのつかないことになる可能性があります。ここでは、育児放棄が子どもに与える影響を4つ説明します。

身体への影響

身体への影響は、低体重・低身長、オムツかぶれ、湿疹、病気や怪我の重症化などです。栄養ネグレクトによって子供の成長に必要な栄養が十分に摂取できないと、同年代の子どもと比べて低体重・低身長といった発育の遅れが生じます。

衣服ネグレクトや衛生ネグレクトを受けている場合は、皮膚を清潔に保つことができないのでオムツかぶれや湿疹を引き起こしてしまうかもしれません。また、医療ネグレクトによって病気や怪我の治療が不十分だと、病気や怪我が長引いたり、後遺症が残ったりする可能性があり、最悪の場合は死に至ることもあります。

知的発達への影響

知的発達への影響は、言葉の遅れ、学習困難、学力低下、表現力の欠如などです。子どもは親とのやり取りを通じて多くのことを学びとります。親が子どもと会話やスキンシップをとらないと、子どもの脳に必要な刺激が与えられず、知的発達に支障をきたす可能性があります。

親から関心を向けられることがないと、自分の心を閉ざしたまま成長してしまうので、周囲への好奇心がわかず後天的な知的障害を招くかもしれません。言葉の発育などは発見が遅れるほど回復が見込めなくなるので、早期の発見が必要です。