子育てにイライラ!イライラする人と全くイライラしない人の違い

【医師監修】以前はなかったのに「子供ができ育児が始まってからイライラするようになった」という人は多いのではないでしょうか。育児でイライラすると、必要以上に子供を怒鳴ったり叩いたりしてしまいがちです。今回、健やかな子育てライフを少しでも楽しむコツをご紹介します。

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専門家監修
新井昇子
3歳男児と7歳女児の子育て中の小児科医です。現在は、魔法の子育てセミナー、個人セッションも行なっております。子育ての経験と心理学・医学的知識、・・・
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Contents
目次
  1. イライラ育児は事故の元
  2. イライラする人の思考パターン
  3. イライラしない人の思考パターン
  4. イライラの正体を突き止める
  5. イライラしない人は肩の力を抜く育児を知っている
  6. 育児による子供の成長
  7. 一人の人間としての人生は子供も同じ
  8. 時代を経ても変わらない親と子の関係
  9. 誰かのためじゃなく自分のために

兄弟や姉妹がいると子供同士のケンカが多くなるので、自然と親がイライラするような場面が増えてきます。くだらない事でケンカしている子供って本当にイライラしてきますよね。そして「お兄ちゃんだから」とか「お姉ちゃんだから」と上の子に我慢させて収束させることも多いのではないでしょうか?

ケンカの内容をよく観察してみると、上の子から下の子に「ダメ」と言って叩く等の行為を目にすることが多いです。これは親から子への行為がそのまま模倣されているのです。つまりイラついて「怒鳴る」「叩く」等の行為は、子供同士のケンカにも発展していることが多々あります。

いじめの温床はイライラ育児

イライラ育児が原因によるもう一つの副産物が「いじめ」です。一見関係ないように感じるかもしれません。しかし前述のとおりイライラする親は強迫観念や、周りから外れたくない等の心理状態に陥っていることが多い為、輪に馴染めない親がいると子共々、自分の子供とは関わりを持たせないように働きかけます。

例えば「あそこの親は...」等の噂になっている子供が自分の子供と仲良く遊んでいるのを見て、どのような気持ちになるでしょうか?おそらくは、なるべく引き剥がそうとするでしょう。この親の心持ちを感じ取った子供は、同じように噂の子をチームから出そうとします。これがいじめの始まりに繋がります。

育児が何故イライラするのか?

何故イライラするのか?の原因はズバリ「自分の弱さ」にあります。「自分の弱さ」と聞くと「もっと頑張らないと」という発想になりがちですが、実はその逆です。もっと言うと「自分を晒け出せる強さ」が必要なのです。

「本当はこうしたい」という潜在意識に近い自分の思いを無視し続けると、人間誰しもが疲弊し、外部に対して攻撃的になっていきます。多くの場合、この溜ったもやもやをどう発散するか考えますが、工夫をすればそもそも溜まってくることがなくなります。

イライラしない人は肩の力を抜く育児を知っている

イライラしない人も、怒鳴ってしまうことがないわけでありません。やはり同じ人間なので、時には子供に対して怒鳴ることもあるでしょう。ですが、その後のどう発散するか?のポイントをうまく押さえていると言えます。強迫観念や自責の念などを膨らますことをしないので、常に解放された状態を保っています。

ここでは、解放された状態を保つと物の本質がどのように見えてくるのか、を紹介していきます。自分にとって怒鳴ることがどういうことで、叩く行為がどこから湧いてくるのかを掘り下げて考えていきましょう。盲目的になりがちな自分自身を見つめることから、肩の力が抜けた状態で健やかな育児をすることができるのです。

肩の力を抜く育児【知らぬ間に作り上げるイライラの元】

イライラする原因は自分で作り上げているということは前述のとおりですが、その原因の本質の一つとして「自責」があります。無意識下で自分を責めて、そこからネガティブな発想が生まれます。うつ状態になるきっかけも、こういったことが原因であることが往々にしてありますよね。

特に女性の場合は気を抜くと「母親として」「妻として」「一人の女性として」の役割がたちまちの内に崩れてしまうと考えています。それにそぐわないと思われる事象や結果が得られた場合、例えば子供に対して怒鳴ってしまうのですが、実はその前に自分をまず責めています。

出典:https://www.pinterest.jp/pin/585819864021758057/

イライラしない人は、この「自責」の念が始まるポイントを俯瞰的に捉えることができます。「あ、今自分で自分を責めているな」と認識するだけで、そこから起こる不安感が得体の知れないものではなく、正体を知っているものに変わるのです。そのため、それ以上膨らむことなく我慢限界ギリギリ状態にはならないのです。

肩の力を抜く育児【イライラしないじゃなくイライラにならない育児を目指す】

ここで一つイライラにならない為の対処法の例をご紹介します。

●普段の些細な行動を逆にする
●怒鳴る・叩くの前に一旦ストップ
●怒鳴ってしまう自分を受け入れる
●限界を感じそうな事は手放す

とにかく行動を変えることから全ては始まります。些細な事でも一旦立ち止まり、自分自身をちゃんと見てあげると弱っている自分自身が見えてくると思います。その「弱い自分」に対して何ができるのか?それを考えることがイライラにならない第一歩です。

肩の力を抜く育児【健やかな育児は自分と周りを救う】

一度、お試しで時間や常識に縛られない生活をしてみてはいかがでしょう。例えば子供が話しかけてきたら、自分がどのような状況でもとことん話に付き合ってみてください。

怒ってしまう時もただ「怒鳴る」「叩く」ではなく、自分が不安で辛いから怒鳴ってしまうんだということを、きちんと子供に伝わるように話してみてください。それだけで自分が本当の意味で癒されていくのがわかると思います。