生理前・生理中の貧血…!原因と対処法は?PMSや妊娠の可能性も?

【医師監修】生理前や生理中に貧血になり、吐き気やめまい、ふわふわ感や立ちくらみなどに悩まされている方は多いのではないでしょうか。ここでは生理前や生理中の貧血の対処法を紹介するとともに、生理前の症状とPMSや妊娠の可能性との関連も解説します。

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専門家監修
増田 陽子
内科医 、救急医。平成22年St. Methew School of Medicine大学医学部卒業 、Larkin Hospital、J.N.F Hospitalにて勤務。日本医師資格に加え、・・・
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Contents
目次
  1. 生理前や生理中の貧血がつらい!
  2. 生理前や生理中の貧血の原因
  3. 生理前や生理中の貧血の対処法
  4. 生理前や生理中の貧血を予防する方法は?
  5. 生理前の貧血とPMSは関係があるの?
  6. 生理前の貧血は妊娠の可能性もある?
  7. 生理前や生理中の貧血がつらい時は受診し妊娠にも注意

貧血になった時の適切な対処はもちろん大事ですが、貧血にならずに生理前や生理中を過ごすことができればそれに越したことはありません。ここでは生理前や生理中の貧血を予防する方法について、自分ですぐにできる方法と病院でサポートしてもらう方法をご紹介します。

生理前や生理中の貧血を予防する方法【食生活を見直す】

貧血は鉄分が不足することで起こります。鉄分はさまざまな食品に含まれていますが、2種類存在します。ヘム鉄(動物性の食品からとることができる)と非ヘム鉄(植物性の食品や乳製品、卵からとることができる)です。非ヘム鉄はそのまま食べても吸収されにくいという特徴があります。

鉄分を手軽にとりたい場合にはヘム鉄の含まれた食品を選びましょう。代表的なものは赤身の魚やレバー、赤貝があります。非ヘム鉄は卵や大豆、青菜、ひじき、カキ、あさりなどに多く含まれています。非ヘム鉄の含まれた食品は鉄分の吸収を助けるビタミンCやタンパク質と一緒にとることが重要です。季節の食材をうまく利用して不足しがちな鉄分を補いましょう。

生理前や生理中の貧血を予防する方法【サプリメントを利用する】

貧血に悩む人のために、鉄分を手軽にとることができるサプリメントも多く販売されています。基本は食事からの摂取が望ましいですが、外食が続いてしまった時などのサポートとして使用してみましょう。ただし過信は禁物です。

生理前や生理中の貧血を予防する方法【医師と相談の上鉄剤を処方してもらう】

食事を工夫しても貧血の症状がよくならない場合は医師の診察を受けましょう。血液検査の結果、鉄分が足りないことによる貧血「鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)」と診断された場合、改めて食事等の指導を受けるとともに鉄剤を処方してもらえることがあります。

鉄剤を服用すると、便の色が黒くなったり、便秘になったりします。鉄分はオレンジジュースやビタミンCのサプリメントとともに朝食の30分前にとると、最も効率良く吸収されます。血球数が正常になった後も、体内の鉄分の貯蔵量が十分に回復するまで、鉄分補給をさらに6カ月間続けます。定期的に血液検査を行って鉄分補給が十分かどうかを確認します。(※1)

増田 陽子

内科医

また鉄分は長期に過剰摂取していると、腸内出血が起こりやすくなります。

生理中の経血量が異常に多い場合はホルモン治療も視野に

過多月経は普通よりも経血が多いことです。具体的には昼間も夜用ナプキンを当ててないともれてしまったり、経血にかたまりが見られたりという状態を指します。貧血を治すには過多月経の原因を特定して、適切な治療をすることが望ましいです。

過多月経の原因は主に子宮内の異常と、子宮内に異常はない「ホルモンの乱れ」の場合があります。子宮内の異常には子宮内膜増殖症や子宮筋腫などがあり、年齢やライフプランに適した治療をしていくことになります。ホルモンの乱れは、低用量ピルの服用、黄体ホルモンを子宮内に挿入した器具から放出する方法等で整えていきます。

子宮内に明確な異常があるケースと違い「経血が多いだけでホルモン治療をするなんて」と抵抗がある人もいるかもしれません。しかし過多月経は見過ごせない症状です。鉄剤での対処療法だけでは貧血が改善しないこともあります。まずは受診して医師とよく相談してみてください。

生理前の貧血とPMSは関係があるの?

生理前から生理中にかけて貧血の症状が出る人もいれば、生理が始まった途端に症状がおさまる人もいます。生理前のみに現れる不快な症状はPMS(月経前症候群)と考えられます。