hCG注射とは?排卵を促す効果が?費用や時期、副作用!体験談も!

【医師監修】妊活中のママなら聞いたことがあるかもしれないhCG注射。排卵を促進するといわれているhCG注射ですが、副作用や費用、また排卵との関係などもご紹介します。hCG注射を経験したことのある女性の体験談もあわせてご紹介します。

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専門家監修
鈴木元晴
日本産科婦人科学会専門医医学博士。2000年に埼玉医科大学産婦人科学教室に入局。大学病院や同大学総合医療センターで勤務。主に生殖医療に従事し、不妊に悩む女性に寄り添う治療を行ってきました。・・・
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Contents
目次
  1. hCG注射とは?
  2. hCG注射には排卵を促す効果がある?
  3. hCG注射を打っても排卵しないこともある?
  4. hCG注射の費用は?
  5. hCG注射の副作用は?
  6. hCG注射の体験談
  7. hCG注射の短所・長所を確認して効果的な活用を

hCG注射と排卵の関係

このLHサージを人工的に引き起こす作用があるのが、hCG注射です。注射して何時間後に排卵が起きるかというと、一般的には24時間から36時間とされています。また精子の寿命は72時間、卵子の寿命は24時間と短いです。hCG注射の翌日と翌々日に性交をすれば妊娠の確率を上げることができるでしょう。

hCG注射を打っても排卵しないこともある?

hCG注射を打つと、必ず排卵するとは限りません。黄体化未破裂卵胞症候群(LUFS)などの病気を持っている人であれば、hCG注射を打っても排卵が起こりにくくなります。この病気は女性全体で約7パーセントの確率で起きるそうです。(※1)

排卵していなくても黄体ホルモンは分泌され高温期に入るので、排卵しているかどうかはエコー検査などを受けると確実に確認することができます。hCG注射を打つことにより排卵の確率を上げることができますが、確実に排卵が起こるという保証はないのです。

鈴木元晴

産婦人科医 

7%と言う数字がどこから出てきたものか分かりませんが、子宮内膜症患者さんの約30%にLUFが存在するとの報告はあります。ちなみに子宮内膜症は、生殖可能年齢女性の約10%に発生すると言われています。LUFの原因は未だに不明ですが、炎症物質であるプロスタグランジンとの関連が指摘されていますので、炎症性疾患である子宮内膜症に合併しやすいと考えられます。

hCG注射の費用は?

排卵誘発目的でhCG注射をする場合は、保険が適用されます。そのため費用は比較的安く治療を受けることができるでしょう。一回のhCG注射でどのくらいのhCGを注射するかによって費用が変わります。

●hCG3,000単位以下:300円程度
●hCG5,000単位:500円程度
●hCG10,000単位:800円程度

診察費用、検査費用などを含めても約2,000円程度で治療を受けることができます。各病院で治療方針が違ったり、保険適用になる部分が変わってくるので、治療している病院で費用については確かめましょう。

(不妊治療の費用については以下の記事も参考にしてみてください)

不妊治療は医療保険に絶対、加入すべし!各保険のメリット・デメリット!
人工授精(AIH)とは?流れや費用は?平均総額やタイミングについて

hCG注射の副作用は?

hCG注射を打つ際にも痛い思いをしますが、注射後の副作用も気になりますよね。ここではhCG注射後にどんな副作用が出やすいのかをご紹介します。

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)とは、hCG注射の排卵誘発剤の副作用で卵巣内の卵胞が腫れる病気です。このOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になってしまう人は、不妊治療中の10万人のうち0.8~1.5%の確率といわれています。(※2)

hCG注射の副作用の症状は色々あり、吐き気や腰、腹部の痛み、頻尿などです。もっと重い副作用症状になると、胸水や腹水、卵巣捻転、脳梗塞など命にかかわる危険性もあります。