関西のお食い初めでは『たこ』を使う？歯固め石の代わりになった由来は？

生後100日のお祝いとして、お食い初めを行う家庭は非常に多くあります。お食い初めは、日本では古くから行われている伝統的な儀式の一つです。お食い初めの基本的なメニュー構成は、これから赤ちゃんが人生を生きる上で必要な食材であるご飯や魚などの海の幸、野菜などの山の幸、汁物、塩を組み合わせた料理になります。

その中でも、鯛などの魚や蛤など縁起の良い意味を持つ食材を取り入れるのが一般的でしょう。そんなお食い初めは、実は地域によっても使用する食材が変わってきます。関西地域のお食い初めにおいて特徴的なのは、たこを料理に使うことです。関西地域でたこをお食い初めの料理に取り入れるのには、いくつかの意味があります。

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たこは、多幸という当て字で表されるように、縁起の良い生き物とされています。お食い初めで赤ちゃんがたこを食べることは、赤ちゃんが「これからの人生で多くの幸せに恵まれますように」という願いを込めているとも言えるでしょう。

また、たこには8本の足があります。8という数字は縁起の良い数字と言われており、八方に向かって運が開けるという意味でもたこをお食い初めの料理に取り入れているようです。

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関西地域でたこをお食い初めに取り入れるのは、赤ちゃんがこれから先、食べることに困らずに生きていけることを願う意味も持っています。これは、たこの「た」を「たべること」、たこの「こ」を「こまらない」に当てはめた当て字が、その意味の由来となっているのでしょう。

赤ちゃんにずっと不自由なく生きて欲しいと思う親や家族からの願いが、たこに込められているのです。

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関西地域におけるお食い初めのたこは、歯固め石の代わりとしての役割を果たしている場合もあります。たこは弾力があるので、大人の歯でも食いちぎるのが大変ですよね。お食い初めのたこは、たこを食いちぎることができるくらいの、丈夫な歯になって欲しいという願いを表している場合もあります。

お食い初めの中では、歯固め石という石を用意して「歯固めの儀式」をする場合もあるでしょう。しかし、関西地域ではたこを歯固め石の代わりとして用いる場合も多いのです。歯固め石を用いる場合には、石に触れたお箸で赤ちゃんの口に触れて、歯が丈夫になることを願います。

一方、たこを歯固め石の代わりに用いる場合には、たこを赤ちゃんに吸わせたり歯茎や口につけたりするのが風習です。この風習は、きれいに並ぶ「たこの吸盤」のように、赤ちゃんの歯が綺麗に並んで固まることを願うことを意味するという説もあります。

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関西におけるお食い初めも、たこ以外の料理は基本的に地域による大きな差はありません。基本的には一汁三菜のメニュー構成となります。ご飯は、お祝い事に用いられるご飯であるお赤飯の場合が多いでしょう。赤飯の赤色は厄払け効果があるとされているため、赤ちゃんを災難から守ってくれると言われています。

主菜は、お祝い事の象徴でもある魚の鯛を尾頭付で出す場合がほとんどです。ただし、地域の風習によっては違う魚の場合もあります。そのほかに、縁起の良い黒豆の煮物などが、副菜になります。煮物の具材としてはエビや高野豆腐・里芋などが代表的です。

煮物以外の副菜としては、紅白なますなどの香の物が添えられる場合が多いでしょう。香の物にたこを取り入れる場合も多くあります。なお、椀物で一般的なのは良縁を意味するはまぐりを使用した汁物です。これに加えて、歯固め石やたこなどの歯固め石の代わりの料理を用意するのがお食い初めの基本となります。

関西地域でも関東地域と同様、お食い初めには鯛を中心とする魚やご飯・お吸い物・煮物などが取り入れられています。鯛などの魚やご飯・お吸い物は、基本的に地域による違いはありませんが、関東ではあまり取り入れない「たこ」はどのように調理したら良いのか迷ってしまいますよね。

ここではお食い初めにぴったりの、たこの料理のレシピを紹介します。