不妊治療とは?治療の流れは?気になる治療費や病院の選び方!

【医師監修】思うように子供に恵まれないカップルは年々増加しています。しかし日本では、不妊治療はまだまだ浸透していないのが現状です。そのため不妊治療に対する疑問も多いことでしょう。ここでは「不妊治療の内容や流れ」「病院の費用」「選び方」に関する知識を紹介します。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 不妊治療について詳しく知りたい!
  2. 不妊症とはどういう状態?
  3. 不妊治療の流れとは
  4. 不妊治療の費用
  5. 不妊治療のやめどきはいつ?
  6. 不妊治療、病院を選ぶポイントとは?
  7. 不妊治療で使われる漢方薬とは
  8. 不妊治療と仕事は両立できる?
  9. 男性も積極的に不妊治療に協力を
  10. 不妊治療に不安を感じたら

不妊治療について詳しく知りたい!

不妊に悩む夫婦は年々増加の一途をたどっています。不妊に悩む人が増えているのに不妊治療についての情報がなかなか伝わらないというのが現状です。今回はそんな不妊治療について詳しく知りたい人たちのために、不妊治療の内容や治療方法などを具体的に紹介していきます。

不妊症とはどういう状態?

不妊症というのは、原因にかかわらず、妊活を始めて1年以上経過しても妊娠の兆候がみられない状況のことを指します。不妊症の原因は女性側にある場合もありますし、男性側にある場合、または男女両方に原因がある場合があり、詳しく検査をしてみないとわかりません。

WHO(世界保健機構)によると、不妊症の原因の男女の比率は「女性が41%」「男性が24%」「男女共にが24%」「原因不明が11%」となっています。(※1)


カズヤ先生

産婦人科医

以前は不妊期間を2年と定義していましたが、近年、高齢出産の割合が増えてきており、1年と定義し直されました。 不妊の原因は、多くの割合で女性因子だけでなく、男性因子が関わっているということを理解しておくと良いでしょう。

女性の不妊症の原因

女性側の不妊の原因として考えられるのは、次のような疾患などです。

・卵巣機能不全
・卵管の狭窄(きょうさく)癒着、閉鎖、水腫
・子宮筋腫、子宮の奇形、発育不全
・内分泌ホルモン異常
・子宮内膜症
・その他(精神的なものなど)

男性の不妊症の原因

男子側の不妊の原因としては、次のような疾患などが考えられます。

・無精子症
・精路閉鎖
・性交障害
・内分泌ホルモン異常
・その他(精神的なものなど)

(不妊症については以下の記事も参考にしてみてください)

【不妊症チェック】症状や特徴のチェックリスト9項目でセルフ診断

不妊治療の流れとは

不妊治療を始めるためには、どこに原因があるかを把握することが大事です。したがって夫婦が一緒に病院で診察を受ける必要があります。原因がわかって初めて、どのように治療を進めるのか、流れが決まるからです。それでは不妊治療の流れを見てみましょう。

不妊治療の流れ【タイミング療法】

一般的に最初に試みられるのがタイミング療法です。タイミング療法とは、最も妊娠をしやすい日を医師が示し、妊娠する確率を高める方法で、自然な妊娠を目指します。不妊の原因が見つかったら、治療や投薬で原因の改善を図りながら、医師が夫婦生活のタイミングについて助言します。

妊娠しやすい日を特定するために、数回の超音波検査と採血を行います。その結果に基づいて医師は妊娠しやすい日を特定し、その日に夫婦生活を行うよう指導します。(※2)