ルトラールはどんな薬？不妊治療で絶大な効果！飲み方は？

機能性子宮出血は女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れることで起こります（※2）。主に思春期や更年期に多い症状です。排卵を伴う出血と無排卵の出血があります。症状としては多量の月経出血や血塊を含む出血、7日以上続く出血、短い周期で起こる出血などがあります。

排卵障害のため十分なプロゲステロンが分泌されず月経のようなまとまった出血ではなくだらだらと少量の出血が続く場合もあります。

主な治療法としては止血、子宮内膜の安定維持、貧血の改善があります。この治療でルトラールは効果を発揮します。ルトラールでプロゲステロンを補いホルモンバランスを整え子宮内膜を安定させることにより止血し、また継続的に飲むことで子宮内膜がはがれにくくなり、出血を抑え貧血を改善する効果にもなります。

黄体機能不全とは黄体の機能が十分でない状態を言います（※3）。これによって黄体ホルモンが不足してしまい、子宮内膜の維持が難しくなります。黄体期（排卵期終了時から次の月経までの間の期間）が短くなることで月経周期が短縮され異常出血を起こすなどの症状がありますが、自覚症状がないため黄体機能不全だと気付かずにいる場合も少なくありません。

黄体機能不全は不妊症の原因にもなりうるので、妊娠を望む人は治療が必要になります。この治療のうちの一つに黄体ホルモン製剤を投与する治療がありますが、この場合にルトラールが使われることもあります。排卵後にルトラールを投与しプロゲステロンを補充することで黄体の機能を正常に戻すという方法です。

卵巣機能低下症とも言います。卵巣自体の異常や卵巣に対する女性ホルモンの分泌や働きが十分でない状態を言います。症状は時期により異なりますが、主に月経不順、不正出血などがあります。はっきりした原因は今のところわかっていませんが、不妊症の原因になりうるので妊娠を希望する方には治療が必要になります。（※4）

主にホルモン治療での改善を目指します。ホルモンのバランスを調整するためエストロゲンやプロゲステロンを補充しつつ卵巣から正常にホルモンが出るのを助けます。このプロゲステロンを補うのに使われるのがルトラールです。

（不妊症については以下の記事も参考にしてみてください）

ルトラールは不妊治療以外の目的でもさまざまな症状の改善に役立ちます。他にも高用量製剤として使用すると、男性ホルモンの働きや分泌を抑える作用があるので、男性の前立腺肥大症や前立腺がんの治療にも使われています。

また、ルトラールには服用の仕方によっては避妊効果をもたらします。ルトラールは飲み続けると高温期と同じ状態になるため月経が起こらないからです。一定期間服用してやめてというのを繰り返すことで妊娠への効果を発揮し、飲み続けることで避妊効果を発揮するのです。

不妊症には様々な治療法があります。種類としては一般不妊治療であるタイミング法や人工授精、生殖補助医療である体外受精などがあります。ここではタイミング法、人工授精、体外受精の3つの不妊治療におけるルトラールの役割について説明します。

一般不妊治療の一つで、不妊治療の最も基本的な方法がタイミング法です。子作りのタイミングを予測した排卵日に合わせて行う方法で自然な妊娠を目指します。まず病院で様々な検査をして排卵日をほぼ正確に予測します。そして予測された日に合わせて子作りを行うことで受精、着床へつなげます。

タイミング法はまず排卵や月経が安定した周期で来ることが大切です。なぜなら、そこに子作りのタイミングを合わせるからです。ルトラールはこの月経周期を人工的に作り出してホルモンのバランスを整え様々な症状や機能を改善させてくれます。

(子作りのタイミングについては以下の記事を参考にしてください)