着床障害(着床不全)とは?原因と治療法!克服して妊娠した体験談も

【医師監修】不妊治療中の方の中には、良好な胚を何度移植してもなかなか結果が得られないという方も多くいらっしゃるかもしれませんね。数回移植をしても上手くいかない場合は、着床障害(着床不全)が疑われます。着床障害(着床不全)について、原因や改善法を見ていきましょう。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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目次
  1. 着床障害(着床不全)って?不育症とは違うの?
  2. 着床障害(着床不全)の原因は?
  3. 着床障害(着床不全)の検査はどのように行われるの?
  4. 着床障害(着床不全)の治療法は?
  5. 着床障害(着床不全)の体験談!克服した例も
  6. 着床障害(着床不全)を治すために自分でできること
  7. 着床障害(着床不全)を克服しよう

着床障害(着床不全)って?不育症とは違うの?

不妊治療をしていて上手くいかないことが続くと、落ち込むこともありますよね。医療の力を借りて人工授精や体外受精をしている方は、結果が出ないと着床障害(着床不全)を疑うこともあるでしょう。またはお医者さんから着床障害と告げられることも。似た用語で「不育症」というものもあります。着床障害と不育症の違いについても整理しましょう。

着床障害(着床不全)とは

着床障害(着床不全)は、受精卵はできるけれども、子宮内の子宮内膜に着床しないことを言います。体外受精をした場合、3回以上良好な胚(細胞分裂して細胞が増えた受精卵)を移植したにも関わらず、妊娠しない、または化学流産(着床したがその後育たず流産してしまうこと)に終わってしまうと、お医者さんから着床障害を診断されることがあります。

不育症とは

着床障害とは異なり、受精したのちに着床はするけれども、2回以上、22週未満の流産や死産を繰り返すことを不育症と言います。習慣流産、反復流産とも言われています。22週以降の死産、または出産後に赤ちゃんが亡くなってしまう新生児死亡は不育症には含まれません。

着床障害(着床不全)の原因は?

不妊症で悩む女性は多いですが、着床障害の原因は、子宮環境が整っていないことのほか、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。

受精卵の染色体異常

受精卵の中にある染色体に異常がある場合、せっかく受精した卵も細胞分裂が進まず着床できません。加齢やホルモンバランスが原因で染色体異常のある卵や精子が作られてしまうと、卵が育っていく段階で成長が止まってしまうことがあるのです。そのため何度も体外受精をしてもなかなか着床できない結果となってしまいます。

子宮奇形が着床障害の原因に

子宮の形にも正常な形がありますが、生まれつき子宮の形に異常があることを子宮奇形と言います。子宮奇形があるからといって必ず妊娠できる可能性がないではありませんが、子宮の形に異常があると、子宮全体が狭くなるので着床しにくい状態となっているケースもあります。子宮奇形は、妊娠を望める女性のうち、約3.8~6.7%の女性に見られると言われています。

カズヤ先生

産婦人科医 

子宮奇形のパターンとしては双角子宮、重複子宮、などがあります。 しかし、子宮奇形であるからといって、必ずしも着床障害を認めるわけではありません。

子宮内膜の癒着している可能性も?

帝王切開や子宮外妊娠、人工中絶、または盲腸などで開腹手術をした経験のある方の中には、菌が入り込み、子宮内膜と他の臓器とが癒着してしまうことがあります。また、クラミジアに感染してしまうと、子宮内膜の癒着が起こることもあります。子宮内膜が癒着を起こしてしまうと、着床を妨げる原因となってしまいます。

子宮内膜ポリープや子宮筋腫がある場合も