おりものが黄色の原因と対処法!病気の可能性も?かゆみを伴うと危険?

【医師監修】おりものが黄色いと病気の可能性があることを知っていましたか。黄色いけど痛みやかゆみは無いから、と放置しておくと妊娠に影響があるかもしれません。ここでは、おりものが黄色くなる原因と対処法、考えられる病気の種類を症状別にご紹介します。

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専門家監修
リエ先生
産婦人科専門医.。国立大学医学科卒業後、初期研修、後期研修を経て、現在大学病院で勤務しています。患者様の不安を少しでも取り除き、正しい知識を啓蒙できればとと思います。
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Contents
目次
  1. 正常なおりものとは?
  2. おりものが黄色になる原因は?
  3. 黄色いおりものの対処法
  4. 黄色いおりものから考えられる病気!かゆみを伴うと危険?
  5. 病気じゃない可能性もある?
  6. おりものに悩まず妊活を快適に!

水っぽくさらさらして、白い色や膿が混ざったような黄色っぽいおりものが普段より多く出てきたら、クラミジア感染症の可能性があります。このクラミジア感染症はクラミジア・トラコマチスという病原体に感染することで起こり、性感染症として有名です。無臭ではありますが、排尿時に痛みがあり、下腹部痛を伴うこともあります。

クラミジアは自覚症状があまりなく、無症状か自覚があっても軽いので気づきにくいのが特徴です。潜伏期間は1~3週間ほどあり、症状が現れる前に性行為をして広がってしまう可能性があります。進行すると子宮頸管炎や卵管炎、卵管周囲炎といった症状を引き起こし、不妊症や流産、早産などの原因に繋がることもあるでしょう。(※2)

黄色く膿のような粘りのあるおりもの

膿っぽい黄色のおりものが増え、強い臭いがあると淋病(淋菌感染症)の可能性があります。クラミジア感染症に次いで感染者が多い性感染症です。潜伏期間は数日から1週間ほどですが、こちらも自覚症状があまりないため見逃してしまいがち。クラミジア感染症と違い無臭ではなく、生理前と似て粘りのあるかたまりのようなおりものが多いのが特徴です。

他に一般的な症状としては外陰部の腫れやかゆみ、性行為の時の軽い痛みや生理痛のような痛みがあります。淋菌を放っておくと子宮頚管炎が子宮内に広がり、不妊症や子宮外妊娠の原因になる恐れがあるので注意が必要です。(※3)


リエ先生

産婦人科医

おりものは月経周期や体調によって色や性状がかわります。かゆみがひどい場合や、パサパサしたおりものの場合は感染症の可能性もあるため病院を受診した方がいいでしょう。

泡状で黄色から黄緑色のおりもの

おりものが黄色か黄緑色で泡状になり量も多い場合は、トリコモナス膣炎の可能性があるでしょう。膣の粘膜が炎症を起こして雑菌が増えるためこのような症状が出ます。外陰部がただれて強いかゆみと臭いを伴うのが特徴です。トリコモナス膣炎はトリコモナスという寄生虫が膣に感染して発症する病気で、性行為や衣類、浴槽でも感染することがあります。

放っておくと膀胱や尿道にも広がり悪影響を及ぼします。尿道炎や膀胱炎を引き起こし、最悪の場合は不妊症に繋がることも。女性には上記のような症状が出ますが、男性は感染していても自覚症状がないのが特徴です。(※4)

リエ先生

産婦人科医

おりものは性感染症にかかっていると変化します。病院に行くことを躊躇う方も多いですが、パートナーに移してしまうだけでなく、腹痛や不妊症の原因となることがあります。取り返しのつかないことになる前にきちんと治療しましょう。

粘りや悪臭があり発熱や下腹部痛がある

悪臭があり膿っぽく粘りのあるかたまりのようなおりものが続く場合は、子宮内膜炎の可能性があるでしょう。さまざまな細菌が子宮内膜に感染して起こるのが原因で、その細菌のなかには淋菌もあります。出産後すぐや流産後の女性あるいは閉経後の女性に多いです。生理がなく子宮内膜が剥がれ落ちずに排出されないことから、細菌感染を起こしやすいと考えられます。

感染元となる細菌の種類によっては完治までに時間がかかり、また再感染リスクが高いため注意深く様子を見る必要があります。子宮内膜炎が進むと、卵管まで感染が広がり卵管炎を発症してしまうことも。卵管炎になると、卵管不妊や子宮外妊娠などの異常妊娠の原因にもなるでしょう。(※5)

病気じゃない可能性もある?

おりものは女性ホルモンと密接な関係があるため、生理の時期によって色や状態が変わることを説明しました。感染症によって炎症を起こすこと以外には、どのような原因があるのでしょうか。

病気以外で考えられる原因

仕事や外出など、長時間トイレに行けないときや汗や蒸れが原因で清潔でないとき、おりものが下着について乾燥し乳白色から黄色になっている場合があります。軽度の感染を起こしていて膣内を清潔に保とうと、おりものが異物を絡めて体外に排出しようとしておりものの色が濃くなるのです。

汗や蒸れが原因で刺激に弱くなった皮膚は、かゆみやかぶれを起こしやすい状態になっています。尿や雑菌、おりもの、下着の擦れなど普段なら何ともないような刺激で、かゆみを起こすことも。また蒸れることで無臭ではなく少し酸っぱい臭いがすることもあるでしょう。

タンポンやコンドームを入れたまま放置するなど、膣内に異物が入ってるときにも黄色いおりものや臭いの強いおりものが出ることがあります。これは異物に対する生理反応ですからその生理反応自体は問題ありません。しかし、異物の存在は体へのストレスになります。長時間のタンポンなどの使用や放置には注意しましょう。

おりものに悩まず妊活を快適に!