生理前の胸の張り！原因と対処法は?PMSや妊娠可能性も？体験談も

プロゲステロン（黄体ホルモン）は感情への影響も大きく、情緒不安定になるという人も多いのではないでしょうか。PMSの感情的な症状で最も感じやすいのが「イライラする」という症状です。

他にも「涙もろくなる」「憂鬱な気分になる」などもPMSの特徴です。さらに「集中力の低下」「無気力感」「眠気」「抑うつ感」などにおそわれるという声もあります。（※２）

プロゲステロン（黄体ホルモン）は、妊娠中には分泌量が生理前よりも増加します。これは妊娠中はお腹の赤ちゃんを守るために、ホルモンで母体を休ませるためとも言われています。妊娠していない生理前の時期でもいつでも妊娠できるよう、身体は赤ちゃんを受け入れる体制を整え始めているのです。

PMSの症状の開始時期は排卵日の後で個人差がありますが、生理が始まると症状は治まってくることが多いです。中には生理中も胸の張りが続くという人もいますが、これはプロゲステロン（黄体ホルモン）の分泌がうまく切り替えられないためと考えられます。

生理中も引き続きPMSの症状のひとつである下腹部痛や腰痛が起こることもあります。下腹部痛は子宮が子宮内膜を押し出そうとする際に分泌されるホルモンが原因であると考えられます。また、腰痛は冷えや骨盤の歪みが引き起こしていると言われています。

PMSの胸が張るという症状は、西洋医学的にはプロゲステロン（黄体ホルモン）によるもので病気ではないという考え方でしたが、東洋医学では異なる見方をしています。東洋医学的に考えると生理前の胸が張る症状は、全身に絶え間なく流れている「気」が滞っている状態と考えるのです。

気が滞ると身体の水分も上手く流れなくなり、血流も悪くなるでしょう。そうすると気の流れに乗って体外へ出される老廃物やストレスも流れなくなってしまうのです。その結果、胸が張ったり重い生理痛などが発生すると考えられています。

「胸が張る」「重い生理痛」の他にも、気が滞ることでストレスも流れずにイライラしたり、便の排泄も促されなかったりすると考えられています。気が滞りやすい体質であると、いつまでも改善されないままになってしまうので、根本的な原因である気の滞りを解消することが大切です。（※3）

生理前には起こりがちなPMSの症状ですが、東洋医学的には異常と捉えています。東洋医学には病気と健康の間に「未病」という考えがあり、身体の些細な不調は病の寸前であるとみなすのです。生理前のPMSの症状は「未病」にあたり、健康のバランスが崩れた状態と考えられます。

生理前の胸が張るのは「気の滞り」が原因ということでしたが、身体の気の巡りを良くすることが気の滞りの解消に繋がります。

その改善方法としては「漢方薬を取り入れる」「お灸」「鍼」をするのが東洋医学での治療として代表的です。家庭で手軽に気の巡りを良くするには「運動」「入浴して身体を温める」などがよいでしょう。薬膳ではミカンなどの柑橘系の果物が、気の巡りを良くする食べ物として有名です。手軽にできることばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。

生理前の胸の張りはPMSの一つの症状ですが、痛みがひどい時には胸に発症する病気を疑うのも大切です。

ほとんどの胸の病気もPMSと同様にプロゲステロン（黄体ホルモン）の分泌に比例して痛みや張るなどの症状が出ます。まれに生理中にも続いたり、いつまでも胸が張る症状が治まらなかったりすることもあります。おかしいなと感じたら一度病院を受診してみてください。