生理の出血量が多い?目安は?原因や治療法!過多月経の可能性も?

【医師監修】生理の「出血量が多い」とはどんな状態か目安を知っていますか?どれくらいの量だと出血量が多いのか、その原因は何なのか、くわしくご紹介します。また、過多月経には2種類タイプがあり治療法も変わってきます。生理中の出血量が多くて下着が汚れてしまうという人は要チェック。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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目次
  1. 正常?多い?生理の出血量の目安とは
  2. 出血量が多い「過多月経」が起こる原因は?
  3. 生理の出血量が多い場合に受診する目安は?
  4. 生理の出血量が多い場合の治療法は?
  5. 出血量が多いだけじゃない!生理の悩み
  6. 生理の出血量が多い?と悩んでいる人は医師に相談を

正常?多い?生理の出血量の目安とは

平均的な生理の「出血量」とはどれくらいかご存知でしょうか。平均的な生理の場合、日数が3~7日、1回の経血量は20~140mlと言われています(※1)。生理は非常に個人差があり、ホルモンバランスによっても変わるので、正常とされる範囲は案外と広いのです。

平均的な出血量の場合は多い日でもナプキンは少なくとも2~3時間くらいもちますし、夜間も夜用のナプキン1枚で足ります。これはあくまで目安となる量です。中学生くらいの生理が安定していない女性や更年期の女性など、ホルモンバランスが乱れやすい時期の人はこの限りではありません。

(生理用ナプキンについては以下の記事も参考にしてみてください)

生理用ナプキンの人気ランキング!年代や昼夜など用途別比較!口コミ多数!

出血量が多いかも?こんな人は「過多月経」の可能性

「過多月経」とはホルモンの異常分泌によって、出血量が平均的な量よりも多い状態のことです(※2)。原因によっては放置しておくと病気の進行や不妊症の原因にもなるため、受診をしておくべき症状といえます。

あふれて下着やシーツを汚してしまうほどの出血量であったり、頻繁にナプキンを取り替えなくてはならないような人は、医師へ治療法などを相談してみましょう。先にお伝えした平均的な生理の出血量の目安を参考に、自分の出血量が異常ではないか観察してみてください。塊で出てくることが多い場合も経血量が多いと言える目安のひとつです。

出典:https://www.pinterest.jp/pin/453808099958446984/

中学生くらいの若い女性は、まだ「ホルモンバランス」が安定しておらず、平均的な量よりも多かったり逆に少なかったりします。これは正常なことで、年齢とともに生理の周期や出血量も安定してくる場合がほとんどです。中学生くらいの過多月経は貧血にだけ注意しておけば問題はありません。

ナプキンの交換が頻繁すぎると授業にも支障が出るなど、中学生ならではの悩みもあるはずです。もし気が付いたらご家族が受診を促すなどサポートしてあげましょう。

(過多月経については以下の記事も参考にしてみてください)

過多月経とは?原因や治療法!量の基準は?続くと不妊の原因に?

出血量が多い「過多月経」が起こる原因は?

過多月経の原因は大きく分けると2種類です。何が原因で生理の出血量が増えているのか、医師に相談して調べてもらいましょう。治療法も原因によって全然違ってきます。

器質性過多月経

「器質性過多月経」とは子宮の異常が原因で起こる過多月経のことです。「子宮筋腫」や「子宮内膜症」「子宮腺筋症」などの病気のために子宮内膜が増え、出血量が増えている可能性があります。大きな塊の経血が頻繁に出てくる場合も注意をしましょう。不妊症の可能性もあるので早期治療が大切です。

子宮の病気以外にも甲状腺機能の低下や腎疾患、血液凝固障害などが原因で過多月経を起こすこともあります。

カズヤ先生

産婦人科医

過多月経は背景に子宮筋腫や子宮腺筋症といった器質的疾患で子宮が大きくなったりすることで起こったり 、場合によっては子宮内膜増殖症、その発展系である悪性疾患が潜んでいることもあります。 単純なホルモンバランスの異常だけでなく、このような疾患が背景にあることも考えられますので、必ず産婦人科専門医を受診するようにしましょう。

機能性過多月経

「機能性過多月経」とはホルモンバランスの乱れが原因で起こる過多月経のことです。先にも述べたように中学生くらいの若い女性もホルモンバランスが不安定なため、体に異常はありませんが過多月経に悩んでいる人もいるでしょう。

また機能性過多月経の場合「無排卵月経」という状態の人もいます。無排卵月経は女性ホルモンが減少している更年期の女性などに多く見られますが、ストレスなどが原因で20代や30代の若い女性にも見られる症状です。

(無排卵月経については以下の記事も参考にしてみてください)

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