育児休暇の男性取得率は?取得することでのデメリットがかなり多い?

政府が2024年までに男性の育児休暇率を13%にすると目標を掲げました。これは男性、女性ともに育児がしやすい社会を目指すための一環です。ところが男性の育児休暇取得率は目標に遠く及ばず。その背景には何があるのか、世界の動きと今後の可能性を探ってみましょう。

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Contents
目次
  1. わずか3%ほどの男性しか育児休暇を取得していない
  2. 育児休暇に関する法的制度
  3. 男性が育児休暇を取るメリット
  4. 夫婦で育児休暇を取る場合の収入の違いはどれくらい?
  5. 収入面の格差と強い固定概念が根本原因かも
  6. 子育て支援を進める訳
  7. 世界の男性育児休暇取得率はどれくらい?
  8. 少子化の歯止めと育児政策はフランスに学ぶ
  9. 男性も女性も育児休暇を活用し、育児は育自の発想で

男性・女性ともに育児休暇を取れば両方に支給される給付金(助成金)制度

育児休業(休暇)を取得したのはいいけれど、休業(休暇)期間中のお給料はどうなるのでしょうか。会社側には育児休業(休暇)期間中の労働者に対して給与を支払う義務はないとされています。夫婦で育児休業(休暇)を取得してもその期間中の収入が確保できないのであれば、育児どころか生活が成り立ちません。そういうときに助けになるのが、雇用保険から支払われる育児休業(休暇)給付金(助成金)です。

この制度は育児休業(休暇)の間はずっと受給することができます。給付額は休業(休暇)最初の180日間は給与基礎日額の67%で、181日めから子どもが1歳までが50%です。また育児休業(休暇)の延長期間であっても給付金は支給されます。ただし、会社によっては育児休業(休暇)中も通常給与の80%以上を支給しているところもあります。そうした労働条件によって給与が支給される場合は、給付金(助成金)は支給されません。

ただし、給付金(助成金)は雇用保険からの支払ですから、雇用保険に加入していない人には受給資格がありません。また育児休暇に入る前の2年間に月11日以上働いた期間が12ヶ月未満の人には受給資格がありません。育児休業(休暇)中も通常給与額の8割以上の給与が支払われている人に対しても、給付金(助成金)を受け取る資格はない、とされています。まずは育児休業(休暇)を取る前に会社に確認をし、どれくらい支給されるのかを知っておきましょう。

(育児休業給付金については以下の記事も参考にしてみてください)

育児休業給付金の支給日は?遅い場合はどこに問い合わせすればいい? | AKANBO[あかんぼ]

男性が育児休暇を取るメリット

見てきたように、法律的にも制度が整い、子育て環境は少しずつ改善され、男性であっても女性であっても子育てに取り組むための休業(休暇)期間を法的に認め、子育てを夫婦で行えるような社会になってきています。男性が育児休業(休暇)を取ることに漠然とデメリットの多さを感じる人は多いのですが、社会的な制度の充実とは別に、男性が育児休業(休暇)を取ることのメリットはたくさんあります。

女性の負担軽減

子どもを出産するのは女性にしかできません。仕事でキャリアを積んできた女性にとってデメリットがあるのも事実です。もちろん子どもは欲しい、でも自分が続けてきた仕事も大好き。そんな女性にとって出産・育児は大きな人生の転機なのです。

たとえば基本的な日常生活の変化です。産後の体調や体力が順調に回復したとはいえ、慣れない子育てを一人で担当するとなると、赤ちゃんの様子ひとつひとつが不安のタネになります。核家族化が進み、身近に子育ての先輩である母親や祖母が居ない場合は相談することもできず、思い悩むことも多いでしょう。

その一方で、育児に追われる女性も、自分のキャリアを磨き、継続し、社会に貢献したいという夢や希望は消えないものです。子育ては大切、でも自分の夢も同じくらい大切にしてもいいはず、でも子どもと仕事を比べる自分は冷たいママなんだろうか、と自分を責める気持ちに苛まれることがあります

そうした心の奥にしまい込みがちな女性の不安や鬱々とした感情を、夫である男性が育児に参加し、悩みを共有し、育児が大変なことを実感してくれるだけで大きく軽減させることができます。そうすれば女性も育児をしながら仕事に復帰するための準備を進めることもでき、気持ちも前向きになるのです。

男性が育児を担当することで、子どもの成長を感じられる

世界を見ると、赤ちゃんをあやす男性(父親)の姿は当たり前の家族のスタイルですが、日本では経済面で子どもや家族を支え続け、子どもが寝ている間に出勤し、寝てから帰宅する生活パターンで、子どもとの思い出は数少ないという父親が多いようです。

子どもの成長はとても速くて、とてもゆっくりというのが現実的な表現でしょう。とくに赤ちゃんのころは毎日泣いてばかり。首が据わった、寝返りができた、はいはいをした、立ち上がった、歩き始めた、といった成長が見えてくるまでは、ちゃんと育っているのだろうかと不安が尽きません。

ところが今まで届かなかったテーブルの上のモノに手が届くようになり、なんでも口に入れるようになると、モノを片付けること、掃除のやり方なども含め生活の変化が必要になります。育児休業(休暇)は子どもが1歳になるまでの期間ですが、この変化に富んだ時期を自分の工夫や配慮、そして新米ママと相談しながら、より充実した生活環境を創っていけるのが育児の楽しみでもあるのです。

父親としての自覚と問題意識の成長