排卵誘発剤とは?注射が内服薬より良い?種類や費用、副作用は?体験談も!

【医師監修】不妊治療に欠かせないのが、排卵誘発剤です。排卵誘発剤とはどんな薬で、注射が内服薬より効果があるのでしょうか、排卵誘発剤の種類や費用、副作用などについて、ドクターの助言や先輩ママの体験談を交えて説明します。妊活を考えている方はぜひ参考にしてください。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 排卵誘発剤ってどういうもの?
  2. 排卵誘発剤には注射と内服薬がある
  3. 排卵誘発剤はどうやって使うの?
  4. 排卵誘発剤での不妊治療、費用はどのくらいかかるの?
  5. 排卵誘発剤の効果と、メリットとデメリット
  6. 効果とリスクをよく理解することが大切

排卵誘発剤には注射と内服薬がある【クロミッド(内服薬)】

クロミッドはクロフェミンとも呼ばれる最も代表的な排卵誘発剤です。脳下垂体に作用し「FSH」や「LH」の分泌を促す働きは、セキソビットと同じといえます。セキソビットよりも確実な効果をもたらすものです。

また卵子の成長を促したり排卵数を増加させたりと、いろいろな役割を持っています。排卵障害でも軽めの症状の方や、無排卵症の方の治療にも使われています。(※3)

カズヤ先生

産婦人科医

クロミッドの他に、レトロゾールというお薬があります。 薬効分類上、アロマターゼ阻害薬と呼ばれていて、エストロゲンを変換させる酵素であるアロマターゼを阻害して エストロゲンが卵胞で作られるのを妨げます。 ですので、エストロゲンによるネガティブフィードバックが脳下垂体に届かなくなり、卵胞を発育させるFSHの分泌が高まります。 さらに、クロミッドと違って子宮内膜が薄くならない、という特徴もあります。

排卵誘発剤には注射と内服薬がある【テルグリド(内服薬)】

テルグリドはプロラクチンを抑える内服薬で、「乳汁漏出症」や「下垂体腺腫」などの病気の治療にも使われています(※4)。

プロラクチンとは産後の授乳中だけに分泌されるはずのホルモンです。それが、時期を外れて多量に分泌されることで「高プロラクチン血症」という症状になり、排卵障害を引き起こします。この排卵障害が原因で不妊に陥っている場合があるので、テルグリドでプロラクチンの作用を抑えるのです。



カズヤ先生

産婦人科医

高プロラクチン血症を防ぐお薬として、カバサールもよく使用される内服薬です。 カバサールには、同時に、卵巣過剰症候群(OHSS)にも効果があるといわれています。

(不妊治療の薬については以下の記事も参考にしてください)

プラノバールとは?用法・効果・副作用は?不妊にも有効?注意点も!
ルトラールはどんな薬?不妊治療で絶大な効果!飲み方は?

排卵誘発剤はどうやって使うの?

排卵しやすい環境を作り、妊娠の確率を上げる目的で使われるのが排卵誘発剤です。薬の効果を発揮させ妊娠の確率を上げるためには、前の項目で述べたような薬の特徴を把握しておく必要があります。

次に、使い方や使うタイミングを正しく知っておきましょう。

排卵誘発剤はどうやって使うの?【注射の場合】

注射の場合はhCG注射と、hMG-hCG療法の時です。

まず月経開始から3~6日目に、1日75~225lU(注射1~3本)のhMG注射を、皮下注射あるいは筋肉注射で投与します。それを6~10日間毎日続け、卵胞の大きさが18~20mmになったところでhCG注射を打ち、排卵を促します。

病院に通えない場合は自己注射という方法をとることも可能です。自己注射は自分で打つので初めは痛いと感じてしまうかもしれません。しかし、自分で痛い場所を知っておけば、そこを避けて打つことができます。

排卵誘発剤はどうやって使うの?【内服薬の場合】