排卵誘発剤とは?注射が内服薬より良い?種類や費用、副作用は?体験談も!

【医師監修】不妊治療に欠かせないのが、排卵誘発剤です。排卵誘発剤とはどんな薬で、注射が内服薬より効果があるのでしょうか、排卵誘発剤の種類や費用、副作用などについて、ドクターの助言や先輩ママの体験談を交えて説明します。妊活を考えている方はぜひ参考にしてください。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 排卵誘発剤ってどういうもの?
  2. 排卵誘発剤には注射と内服薬がある
  3. 排卵誘発剤はどうやって使うの?
  4. 排卵誘発剤での不妊治療、費用はどのくらいかかるの?
  5. 排卵誘発剤の効果と、メリットとデメリット
  6. 効果とリスクをよく理解することが大切

内服薬の場合は注射に比べると費用はあまりかかりません。薬の強さも関係しているのでしょう。治療のとっかかりとしては始めやすい金額といえます。

女性(妊活経験有)

30代

私は保険が使えたから1日1錠5日分処方されても3割負担で、たったの500円くらいだったよ。薬代だけだとそれほど高くないんだね。

この方のように、保険を使えば費用も3割負担でおさまります。注射に比べて薬はそれほど高くないので、初めて排卵誘発剤を使う方でも始めやすいといえるでしょう。

排卵誘発剤の効果と、メリットとデメリット

排卵誘発剤にも他の薬と同じようにメリットとデメリットがあります。どのようなものがあるかみてみましょう。

排卵誘発剤の効果と、メリットとデメリット【排卵誘発剤の効果】

不妊治療における排卵誘発剤の効果は主に2つに分かれます。1つは卵巣に直接作用して、卵胞を育てたり排卵を促したりする効果です。もう1つは脳に作用してホルモンを分泌させ、卵子の成長や排卵の手助けをする補助的な効果といえます。

また以上の効果から、排卵に障害を持っている方でも排卵しやすい環境を作ることができるのです。黄体機能不全などの症状に対しても、機能を改善するなど様々な役割を担っています。

排卵誘発剤の効果と、メリットとデメリット【注射を使うメリット】

注射を使うメリットは、何といっても排卵の確率が高くなることです。卵巣に直接作用するため内服薬と比べて排卵の確率が高いといえます。またhMG注射の場合は自己注射ができるので、病院に頻繁に通わなくても良いというメリットがあるのです。

女性(妊活経験有)

30代

注射型の排卵誘発剤を選んだんだけど、病院まで通うのが遠くて嫌だったのよね~。自己注射が選べてよかった~。自分で注射なんてしたことないから超緊張!病院の看護師さんから「そんなに難しくないよ!大丈夫!自分でする方が楽だよ!」っていわれて頑張っちゃいました~!

この方のように、病院が遠くて通うのが大変な方もいます。hMG注射であれば、自己注射を選ぶこともできます。自分で打つのは勇気がいるでしょう。しかし、自分のタイミングで打てて、打つ場所も自分で決められるのも自己注射のメリットでしょう。

排卵誘発剤の効果と、メリットとデメリット【注射を使うデメリット】

注射のデメリットはまず刺す時に痛いことです。hCG注射やhMG注射は筋肉注射なので特に痛いと感じるでしょう。注射のあとで筋肉痛になることもありますし、赤く腫れて痛いこともあります。

また副作用として複数の卵胞が育つため、多胎妊娠の確率が上がることが挙げられます。さらに副作用として挙げられるのが、卵胞が過剰に刺激されて卵巣が腫れ、痛いと感じる卵巣過剰刺激症候群(OHSS)です。(※5)

女性(妊活中)

30代前半

下腹部が痛いよ~眠れないよ~。病院に行って超音波で見てもらったらOHSSで卵巣が腫れてて、もう最悪!ずっと痛くてつらい!こんなに痛いの嫌だ~もう勘弁して~!

副作用のOHSSで卵巣が腫れると、痛みがずっと続き夜も眠れなくなってしまいます。早急に病院でお医者さんに診てもらいましょう。

カズヤ先生

産婦人科医

あまりにも卵胞が育ちすぎる患者さんの場合、卵巣過剰症候群を予防するためにカバサールを内服したり あるいは、採卵→体外受精を行うことで、採卵の過程で卵巣過剰症候群を予防することもあります。