基礎体温は生理前が高い?いつ下がる?基礎体温と生理の関係について

【医師監修】基礎体温が上がることや下がることで生理とどのような関係があるのでしょうか。また、生理前には基礎体温は上がるのでしょうか?基礎体温表を付けていくと、生理前だけではなく生理不順や妊娠など様々なことがわかります。今回は、そんな基礎体温についてご紹介していきます。

Commentator
|
専門家監修
増田陽子
平成22年「St. Methew School of Medicine」大学医学部を卒業し、日本・米国・カリブ海の医師資格を持っています。・・・
> プロフィール詳細
Contents
目次
  1. 基礎体温とは
  2. 基礎体温の基本を知りましょう
  3. 基礎体温計は普通の体温計と違う
  4. 生理前の基礎体温はどう変化する?
  5. 基礎体温でわかる体の状態
  6. 基礎体温で妊活のタイミングや妊娠の兆候がわかる?
  7. 基礎体温をつけて生理前や妊活の心の準備を

基礎体温とは

基礎体温とは人間の基礎代謝だけを反映した体温のこと。生理周期を把握して生理予定日を予測したり、排卵日を予測して妊娠のタイミングを計ることができます。また生理不順など体調不良を測る目安にもなるので、日ごろの体調管理の一つとして習慣化しておきたいものの一つです。(※1)では基礎体温について詳しくご紹介します。

(基礎体温については以下の記事も参考にしてみてください)

基礎体温の平均は?正常値は?グラフで妊娠しやすい体温を知ろう!
基礎体温は生理前が高い?いつ下がる?基礎体温と生理の関係について

基礎体温の基本を知りましょう

基礎体温は人間が生きるために必要な最低限のエネルギーを燃焼しているときの体温です。安静時は基礎代謝だけを燃焼させているため、睡眠で安静にしている時間が一番近い状態になります。そのため基礎体温をつけるタイミングは寝起き直後です。

基礎体温の温度差は幅がとても小さいので、通常の体温計では正確な計測ができません。基礎体温計(婦人体温計)で0.01単位で計測し、グラフ化します。

基礎体温の構造は高温期と低温期の2層

一般的に基礎体温はどのように変化するのでしょうか。基礎体温はだいたい25日~38日の周期の間に、体温が高い状態が続く高温期と体温が低い状態が続く低温期の2層に分かれます。

これは毎朝身体を動かす前に計測しグラフを付けることで正しく把握することが可能です。基礎体温の測り方については後ほど詳しくお話します。基礎体温は低温期と高温期の差が0.3~0.5度であることが一般的です。

低温期の特徴

出典:https://www.pinterest.jp/pin/602849100099363371/

低温期は生理開始から14日間ほど続きます。この期間は卵胞期ともいって、卵巣の中で卵子を育てる期間です。卵胞期の特徴は卵胞ホルモンが分泌されること。じつは、この卵胞ホルモンは女性にとって嬉しい作用が沢山あるのです。比較的この時期の女性は、心も体も体調がよく健やかに過ごせるでしょう。

卵胞ホルモンの具体的な作用は、肌質のアップや脂肪の燃焼、髪質の改善や乳房に張りが出てメリハリのある体つきになることがあります。この時期の身体ケアはとても効果的。ダイエットや肌質改善はこの時期に行うのがベストです。

高温期の特徴

低温期が過ぎると基礎体温が上がり、次の生理まで体温が高い状態になります。これが高温期です。高温期は14日間ほど続きます。高温期の特徴はプロゲステロンというホルモンが分泌され始めること。プロゲステロンは受精卵を着床させ子宮内膜を維持するために子宮内膜周辺の血流量を上げます。そのため血行が良くなり基礎体温が上昇、体温が高い状態になるのです。

このプロゲステロンは月経前症候群(PMS)の原因ともなるホルモンで、便秘や肌荒れ、感情が不安定になるなど心身ともに不調になりやすい時期でもあります。

基礎体温を測ると生理前や生理周期がわかるの?

基礎体温を計測していくと生理前や生理周期を把握することができます。それは前述のように基礎体温が低温期と高温期の2層に分かれ、生理周期のタイミングをつかむことができるからです。生理前には高い状態だった基礎体温が、低温期の体温まで下がってきます。そのタイミングで生理が始まるので生理予定日を把握することができるでしょう。

生理前、基礎体温が低温期まで下がった直後に生理が始まる人もいれば数日経ってから生理が始まる人もいます。個人差が大きくその時の体調に左右されることもありますが、毎回パターンが似ている場合が多いでしょう。何周期か基礎体温表をつけることで自分のパターンをおおむね把握し、生理予定日を予測することが可能になります。

(基礎体温のつけ方については以下の記事も参考にしてみてください)

増田陽子

内科医

基礎体温も些細なところで個人差が出てきますが、先ずは自分の基礎体温のパターンを知ることが大切です。自分のパターンが掴めれば、異常が判明しても直ぐに対処しやすいからです。